「新築需要が消えたわけではない。むしろ注文はあった」
―― それでも、ハウスメーカーが消え続けています。
2026年7月、東京商工リサーチが公表したデータによると、2026年上半期(1〜6月)のハウスメーカー(木造建築工事業)の倒産は118件(前年同期比87.3%増)と、約2倍に急増しました。上半期で100件を超えたのは、2013年以来、13年ぶりです。
今回は、ハウスメーカー倒産が急増した背景と、取引先に及ぶ影響、そして経営者が今すぐ知っておくべき備え方を解説します。
上半期118件 ― そのほとんどが「業績不振」
東京商工リサーチによると、倒産原因は「販売不振」が85件(構成比72.0%)、
過去の赤字累積のシワ寄せが20件(同16.9%)と、9割近くを業績不振が占めます。
背景には、資材・人件費の高騰で1棟当たりの建築単価が値上がりし続けていることに加え、住宅ローン金利の上昇で顧客の購買意欲が冷えている構造があります。さらに、マンションやリノベーション物件との競合、仕入れも人材も豊富な大手との競争激化も重なり、中堅・中小ハウスメーカーは着実に追い込まれています。
「年商20億円でも潰れる」― 売上では測れない脆さ
今回の急増で目立つのは、中堅ハウスメーカーの大型倒産です。
3月に破産したタイコウハウス(愛知県)は負債34億円、1月に破産したハウスM21(岩手県)も負債11億円にのぼります。とくにタイコウハウスは、年商20億円を超える時期がありながら最終利益は数百万円に沈み、最終的には17億円の赤字を計上して破綻しました。
「受注がある」「売上がある」――その見た目だけでは、会社の安全は測れません。薄利で受注を続けた結果、一度の赤字で資金繰りが崩壊する。住宅業界の倒産は、“売上の重さ”だけで判断する限り、予兆を見逃します。

ハウスメーカーの倒産は「1社だけ」で終わらない
ハウスメーカーの倒産が怖いのは、影響が一社に留まらない点です。
協力工務店、資材・住宅設備メーカー、設計事務所など、1棟の住宅には多くの会社が関わっています。ハウスメーカーが倒産すれば、すでに着工・納入済みの工事代金や資材代金が回収できなくなるリスクが生じます。東京商工リサーチも「中東情勢による資材価格の高騰や納入遅れが長期化すれば、倒産がさらに増加する可能性がある」と指摘しており、増勢が続けば波及する範囲も広がります。
【住宅業界の“連鎖”の構図】
資材・人件費の高騰
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単価の値上がりで受注が減る/薄利で受ける
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中堅・中小ハウスメーカーの資金繰りが崩れる
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協力会社・資材業者の売掛金が回収不能になる
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