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債権回収

債権譲渡通知書はなぜ必要?作成ポイントと記載事項を解説

債権譲渡通知書はなぜ必要?作成ポイントと記載事項を解説

企業間取引において広く活用されている債権譲渡。債権譲渡は債権回収のリスクを軽減する債権保全方法の一つと言えるでしょう。


債権譲渡を行うにあたっては、債務者に債権譲渡の通知をする必要があります。実務の現場では、この通知は「債権譲渡通知書」とよばれ、ビジネスにおける重要な文書の一つです。


この記事では、債権譲渡通知書の重要性と、作成にあたっての注意ポイントと記載事項を解説します。


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債権譲渡とは?

債権譲渡とは、債権を債権者から第三者(譲受人)に移転させることです。債権譲渡が行われても、債権の内容は変わりません。債権の元本、利子、返済期間、担保条件などは同じままで、引き続き元の債権の同一性を保ったまま存在します。


企業間で債権譲渡はよく行われています。具体的には、企業が債権を売却して資金を調達する場合や、債務者から債権を受け取り、債権回収を目指すために活用されます。


債権譲渡は譲渡人と譲受人の当事者双方の合意で成立が可能です。ただし、債務者や第三債務者に債権譲渡の事実を主張するためには、譲渡人からの通知や債務者の承諾が必要になると民法467条1項で規定されています。


参考
e-Gov 民法467条1項

債権譲渡通知書とは?

債権譲渡通知書は、債権者が債権を他の人に譲渡したことを債務者に知らせる文書です。債権の譲渡が行われた場合、債権者は債務者に対して通知する必要があります。民法によって規定されている通知は、ビジネスの現場では一般的に「債権譲渡通知書」という名前で使われています。


債権譲渡通知書は通常、郵送によって譲渡人から債務者に送られます。郵送する際には、次の2点に注意する必要があります。

配達証明付きの内容証明郵便で出す

債権譲渡の事実を債務者に主張するには、債務者への債権譲渡の通知、または債務者の承諾のいずれの方式も有効です。しかし、債権譲渡を債務者以外の第三者にも主張するには、債権譲渡通知書を確定日付のある証書ですることが必要になります。このことは民法467条2項に規定されています。


確定日付とは、公正証書の日付や内容証明郵便の日付など、証書が作成された日において、法的に完全な証拠力が認められる日付のことを指します。つまり、配達証明付きの内容証明郵便を利用して債権譲渡通知書を送ることで、確定日付を確保することができます。配達証明書は郵便局から届くので、確実に債務者が受け取ったことを確認できます。


参考
e-Gov 民法467条2項

債権譲渡通知書は譲渡人が出す

債権譲渡通知書は、必ず譲渡人が送る必要があります。その理由は、譲受人による通知が認められれば、通知によって誰でも簡単に債権を取得できてしまう可能性が生じるからです。一般的には、譲渡人が債務者に対して内容証明郵便を使用して通知する方法が使われます。


以上のように、債権譲渡通知書は、債務者に対して債権譲渡が明確に行われたことを明確に行われたことを示すために非常に重要な役割を果たします。

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債権譲渡登記制度とは?

債権譲渡登記制度は、債権の譲渡を公に登録する制度です。債権譲渡通知書を作成し、債務者に通知するだけでなく、登記所に債権譲渡を登録することで、債権の譲渡が第三者に対して効力を持つようになります。


債権譲渡は資金調達の手段としても行われています。企業が有している多数の債権を他へ譲渡することは「債権の流動化」と呼ばれ、経済界では債権流動化の促進が強く求められています。


債権の譲渡を第三者に主張するには、確定日付のある債権譲渡通知書が必要になりますが、たとえば、リース会社が数千件のリース料債権をひとまとめにして譲渡するなど、大量の債権を一括譲渡する際には、個別に債権譲渡通知書を作成する方法では多大な労力がかかります。そこで、債権譲渡の特例法により、譲渡人が法人の場合、債権譲渡の登記がされた場合は、確定日付のある証書による通知と同じ効力があるとみなされています。


債権譲渡登記制度によって、債権譲渡が透明性を持ち、債権者や譲渡先の権利を保護することが可能になります。

債権回収会社とは?

債権回収会社とは、債権の受け手である代表的な存在で、「サービサー」とも呼ばれます。サービサーは、債権者に代わり不良債権の回収を専門に行う業者です。サービサーが取り扱うことができる債権は、サービサー法で定められた特定の金銭債権に限られます。


具体的には以下の債権が該当します。

1. 金融機関等が有する貸付債権

2. リース・クレジット債権

3. 資産の流動化に関する金銭債権

4. ファクタリング業者が有する金銭債権

5. 法的倒産手続中の者が有する金銭債権

6. 保証契約に基づく債権

7. その他政令で定める債権

全国サービサー協会

これらの債権は、債務者が支払いを遅延したり、問題があったりする債権です。そのため、一般の事業会社が行う売掛金の回収と比べると、事件性を伴う可能性が極めて高い状態にあります。このような債権を扱うサービサーは法務省の認可を得ており、厳しい指導のもとで業務を行っています。


一般の事業会社間で発生した売掛金の回収は、これらの特定債権には該当しないため、サービサーに債権を譲渡することはできません。債権を譲渡する際には、サービサーが買い取ることが可能な債権かどうかを確認しましょう。


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売掛保証とは

​​売掛保証とは、取引先が経営悪化や財政難で支払いができなくなってしまった際に、自社の未回収の売掛金を保証してもらえるサービスです。会社更生法が適用された場合には売掛金の回収が難しくなります。そのようなリスクに備えるために売掛保証サービスに申し込んでおくとリスク回避ができます。


売掛保証のメリットは、売掛金の未回収リスクを減らせるだけではなく、与信管理もあわせて行えることにあります。売掛保証会社が契約前に取引先(売掛先)の与信審査を行うためです。しかも、取引先に知られることなく契約を進められるのも、売掛保証サービスを利用しやすいポイントです。

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まとめ

債権譲渡通知書は、債権譲渡の事実を債務者および第三者に主張するために重要な役割を果たす文書です。


債権譲渡とは、債権者が自身の債権を他の者に譲渡することを指し、債権譲渡通知書はその譲渡を債務者に通知するために使用されます。債権譲渡通知書を作成する際には、債権者と譲渡先の情報や譲渡される債権の内容などを正確に記載する必要があります。


また、債権譲渡登記制度を利用することでも、その効力を保証することができます。債権回収会社や売掛保証も、債権譲渡に関連する要素であり知っておくとよいでしょう。


債権譲渡通知書の作成と債権の効力確保は、ビジネスにおいて重要です。適切な手続きと情報の記載によって、債権者と譲渡先の権利を守りながら円滑な取引を行うことができるでしょう。

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