宇部蒲鉾(株)の概要
- 法人名:宇部蒲鉾(株)
- 所在地:山口県宇部市川上697-20
- 代表者名:福田泰親(清算人)
- 業種:水産練製品製造
- 資本金:2000万円
- 倒産形態:特別清算開始決定
- 負債総額:約7億9000万円
宇部蒲鉾(株)について
宇部蒲鉾(株)は1941年12月に山口県宇部市の水産練製品業者10店舗が合同して「宇部蒲鉾合同製造販売組合」として発足しました。その後、1944年に法人化され、「焼き抜き蒲鉾」という山口県独自の伝統製法を用いた蒲鉾を製造・販売。さらに、日本初のケーシング詰め蒲鉾の製造にも取り組みました。「特級新川」「特級嶺雪」などの高級ブランドを展開し、1977年には全国蒲鉾品評会で農林水産大臣賞を受賞。その後も数々の受賞歴を誇り、ピークとなる1993年には23億7640万円の売上高を計上するなど高い品質で知られていました。
しかし、水産加工品の価格下落、原材料費の高騰、消費者の水産練製品離れといった状況が続き、同社の収益性は悪化。さらに、新型コロナウイルスの影響で土産物関連の売上も激減し、2023年6月期には売上高が12億8797万円にとどまりました。
2023年11月の臨時株主総会では、同社の土地、建物、生産設備、商標を(株)北九州ニッスイに譲渡することが決定。2024年3月からは北九州ニッスイの宇部工場として稼働を開始しました。その後、同年6月の株主総会で会社の解散が決議され、最終的に10月16日に山口地裁宇部支部から特別清算開始決定を受けました。
水産練製品業界の構造的課題
水産練製品業界の構造的課題は、長年にわたり価格競争が激化する中で消費者の嗜好が多様化し、伝統的な練製品の需要が低迷していることにあります。これに加えて、近年の原材料費の高騰も業界全体の収益性に大きな圧力をかけており、業績回復を困難にしています。また、新型コロナウイルスの影響により観光産業が打撃を受け、土産物としての練製品需要が急減したことで売上減少が一時深刻化。これらの要因が重なり、最終的に特別清算に至ったと考えられます。
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※本記事は株式会社東京商工リサーチが発行する「TSR情報」掲載の「倒産速報」を参照し、作成しております。
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