(株)グリラスの概要
- 法人名:(株)グリラス
- 所在地:徳島県徳島市川内町平石流通団地5-1
- 代表者名:渡邉崇人(社長)
- 業種:食用コオロギ生産・加工
- 資本金:5905万円
- 倒産形態:破産申請
- 負債総額:1億5339万円
(株)グリラスについて
(株)グリラスは、2019年に徳島大学発のベンチャー企業として設立され、同大学が所有するゲノム編集技術やタンパク質の解析技術を活用して食用コオロギの生産と販売を開始しました。2020年には大手量販店でコオロギせんべいを発売し、2022年には大手コンビニエンスストア向けにコーンスナックを提供するなど、食用コオロギを活用した商品展開を行いました。また、ペットフードも取り扱っていました。しかし、事業の成長に伴い、相次ぐ設備投資や運転資金負担が重荷となり、2023年5月期には売上高約3800万円に対して3億3925万円の赤字を計上し、設立以降4期連続で赤字が続く厳しい経営状況が続いていました。
2022年から2023年にかけて、県内の高校でコオロギ粉末を使用した給食が提供されたことがSNSで大きな炎上を引き起こし、それに伴う苦情が増加しました。この影響で、全国販売計画やその他の取引案件が中止され、在庫の過剰となり、業績がさらに悪化しました。2023年後半からは食用コオロギの生産事業を縮小し、美馬市の生産工場を閉鎖しました。畜産・水産向けの飼料生産などの新規事業に方向転換を試み、国に対して設備資金などの補助金申請を行いましたが、申請は通らず、最終的に事業継続を断念することとなりました。
2024年11月7日、(株)グリラスは徳島地裁に破産を申請し、破産手続きが開始されました。破産申請代理人として森晋介弁護士(森法律事務所)が任命されました。
食用コオロギは、環境負荷が低く、持続可能なタンパク源として注目されていますが、日本国内では消費者の受け入れが進まない一方で、SNSなどでの反発も強く、このことが事業展開に大きな影響を与えました。特に学校給食での使用が社会的に議論を呼び、企業イメージの悪化を招きました。また、設備投資や新規事業立ち上げにかかるコストが事業の足かせとなり、収益化が遅れました。期待していた補助金の申請が通らず、事業の立て直しは困難となり、最終的に資金繰りが悪化し、事業継続を断念せざるを得ない状況に至りました。
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※本記事は株式会社東京商工リサーチが発行する「TSR情報」掲載の「倒産速報」を参照し、作成しております。
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