大藤興業（株）が事業停止、破産申請

大藤興業の概要

法人名：大藤興業（株）
所在地：東京都江戸川区西葛西4-2-63
代表者名：大久保健次（社長）
業種：土木工事ほか
資本金：2000万円
倒産形態：破産申請予定（2025年3月中旬見込み）
負債総額：18億円

大藤興業（株）について

大藤興業（株）は、2025年1月30日付で事業を停止し、破産申請を末川吉勝弁護士に一任しました。3月中旬を目処に破産申請を行う予定です。負債総額は、債権者67名に対して約18億円となっています。

同社は土木工事業者として、個人企業時代を含めると60年以上の業歴を持つ老舗企業でした。東京都や江戸川区が発注する公共工事を中心に、官公庁向け案件が9割以上を占めており、民間向けではゼネコンからの下請受注が中心でした。また、無振動・無騒音が特徴の「無振動無騒音杭打抜工事」や、環境に配慮した「ソイル柱列連続壁工事」などを得意としており、2020年2月期には完工高28億8559万円を計上するなど、安定した業績を維持していました。

しかし、近年は完工高が10億円台で推移し、2024年2月期には15億7704万円を記録しましたが、長年の運転資金需要による金融債務の負担が重く、資金繰りが圧迫されていました。さらに、外注費や材料費の高騰により不採算工事が増加し、利益がほとんど出ない状況が続いていました。その結果、資金繰りの悪化により借入金の返済が困難となったため、今回の措置に至りました。

近年の建設業界では、外注費や材料費の高騰が続いており、利益率の圧迫が課題となっています。特に、公共工事を主力とする企業は契約上の制約により価格転嫁が難しく、コスト増加への対応が困難な状況にありました。同社も長年にわたり金融債務を抱えながら事業を継続していましたが、収益性の低下により資金繰りが限界に達し、破産申請を決断することとなりました。