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会社経営状況の調べ方:重要指標と役立つ情報源を紹介

Company management status

会社の経営状況をつかむ基本は決算報告書を見ることです。決算報告書は、会社がどんな経営状態にあるかを明らかにする情報の宝庫であり、会社のさまざまなことがわかります。会社の経営状況を調べるために、決算報告書の見方を理解することは重要です。


この記事では、決算報告書を見るにあたり押さえておくべき重要指標を解説します。あわせて、経営状況を調べる際に役立つ情報源を紹介します。

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会社の経営状況を知るためには

新たな取引先と契約する際、その会社が確実に利益を生み出せる会社なのかを知ることは重要です。毎年利益を生み出せている会社であれば、取引のリスクは低いでしょう。


しかしながら、利益があげられていたとしても、それが本業にもとづくものなのか、または本業以外の投資からの一時的なものなのかによって、利益の評価は異なります。そのため、企業の経営状況を正確に評価するには、利益の詳細な内訳を確認することが不可欠です。


売上や利益の詳細は、決算報告書の中の「損益計算書」にて確認できます。損益計算書は、1ヵ月の事業年度において得られた収益と、その収益を生み出すためにかかった費用を明記した企業の実績を示すものです。


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損益計算書から経営状況を見抜く5つのポイント

損益計算書で見るべき重要指標を5つ紹介します。

会社の経営規模がわかる「売上高」

損益計算書の一番上に表示されている数字で、一事業年度の売上の総額です。売上高が大きいほど、大きな商売をしていると判断できるため、会社の経営規模がわかる指標といえます。

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取扱商品の実力がわかる「売上総利益(粗利)」

売上総利益は、売上高から売上原価を差し引いた残額で粗利とも呼ばれ、取り扱う商品の力を判断できる指標です。


売上総利益の計算式
売上総利益 = 売上 - 売上原価


また、売上に対する売上総利益の比率である売上総利益率は、他社と比較検討する際によく使われる指標です。


売上総利益率の計算式
売上総利益率 = 売上総利益 ÷ 売上 ×100


ただし、売上総利益率は業種により大きく差の出る指標です。他社との比較を行うにあたっては、同業種間での比較が望ましいです。
業種別の売上と売上原価は経済産業省が公表する「2022年経済産業省企業活動基本調査確報」にて確認できます。


参考:2022年企業活動基本調査確報-2021年度実績-

会社の本業で稼ぐ力がわかる「営業利益」

営業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いて求めます。会社が本業でどれだけ利益を出しているかを示す指標となります。


営業利益の計算式
営業利益 = 売上総利益 - 販売費及び一般管理費


売上総利益が高くても、管理が甘くコスト削減意識が低い会社は営業利益を残せません。
一方で、営業利益が高い会社は、本業において収益性が高いといえるでしょう。


会社経営の実力がわかる「経常利益」

経常利益は、営業利益に営業外収益をプラスし、営業外費用を差し引いて求めます。営業外の利益は受取利息や受取配当金、営業外費用は主に借入利息です。本業の収益力以外に、財務力も考慮された指標です。


経常利益の計算式
経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用 


経常利益は、利益の中で特に注目される数字です。なぜなら経常利益には、不動産の売却等で得られるような一時的な特別利益が含まれず、まさに会社経営の実力を示す数字だからです。経営状況を調べるにあたって、経常利益の確認は必須と言えるでしょう。

最終的な経営成績である「当期純利益」

当期純利益は、損益計算書の一番下に表示されている数字で、会社の最終的な経営成績を示す指標です。


当期純利益の計算式
当期純利益 = (経常利益 - 特別損失)-法人税等の引当額


当期純利益がマイナス(当期純損失)であれば利益のでていない赤字の会社だとわかります。
上記5つの指標から、調査する会社の利益を生み出す力を判断します。

自己資本比率で見る経営状況の評価方法

ここまで、損益計算書の売上や利益から経営状況を見ていく方法を解説しましたが、損益計算書だけでは見えない部分もあります。
たとえば借入金です。会社が利益を出せていたとしても、実際は多額の借入金を抱え、資金繰りに追われているかもしれません。


資金繰りの悩みがなく、本業に集中できる安定した財務体質かどうかを見極めるには、貸借対照表の「自己資本比率」を見て評価します。自己資本比率は会社の財務体質の強さがわかる指標です。


自己資本比率の計算式
自己資本比率 = 純資産 ÷ 資産合計(総資本)×100


自己資本比率が高いほど、資金調達に占める借入金の割合が小さく、他人資本である借入金への依存度が低いといえます。つまり、なにか大きな経済変動があってもそれに耐えうる財務基盤があるといってよいでしょう。


自己資本比率は高いほどよいとされていますが、業種により差のある数値です。同業他社との比較で数値を判断するのが望ましいです。業種別の純資産と資産合計は経済産業省が公表する「2022年経済産業省企業活動基本調査確報」にて確認できます。

参考
2022年企業活動基本調査確報-2021年度実績-

経営状況を調べるために役立つ情報源とは

インターネット上には、独自のリサーチ方法で会社の財務状況や経営指標を収集し、掲載しているサイトがあります。

EDINET

EDINETは金融庁の提供するシステムで、直近10年の有価証券報告書が参照できます。この報告書には企業の概況や経理の詳細などの情報が含まれています。上場企業と一部の非上場企業の情報が含まれており、金融商品取引法にもとづき、一定要件の非上場企業も報告が求められます。
参考
金融庁 EDINETについて

会社四季報

会社四季報は上場銘柄の情報を中心に提供するサイトです。業績予想や「四季報スコア」、「ライバル比較」などの情報があります。非上場企業の情報はwebサービスの「会社四季報未上場版」で確認できます。
参考
会社四季報オンライン 東洋経済データサービス

帝国データバンク

帝国データバンクは日本の大手信用調査会社で、企業や経済の情報提供を行っています。「直接調査」という手法で、電話やメールなどで情報を入手、実際に現地に赴きヒアリングをします。


参考
帝国データバンク

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まとめ

会社の経営状況を調べる基本は、決算報告書を見ることです。決算報告書には見るべき重要指標があります。まずは会社の利益を生み出す力を確認するため、損益計算書の以下の指標を確認します。

  • 売上高
  • 売上総利益(率)
  • 営業利益
  • 経常利益
  • 当期純利益

また、損益計算書だけではわからない会社の財務状況は、貸借対照表で自己資本比率を求めて確認しましょう。これらの各指標は、同業他社と比較することで経営状況を客観的に判断できます。


会社の経営状況の調査に役立つ情報サイトには、EDINETや会社四季報、帝国データバンクがあります。これらの情報源を会社調査に役立てましょう。


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