法人名 :株式会社トガシ技研
所在地 :山形県鶴岡市丸岡字町の内309-1
申請代理人:関端広輝
業種 :産業用機械製造業
資本金 :1000万円
種別 :民事再生法申請
負債総額 :約56億円
株式会社トガシ技研は2月28日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、保全処分および監督命令を受けました。負債総額は債権者21名に対して約56億円となっています。
同社は1988年10月創業。自動車関連やロボット、家電関連、半導体関連向けの産業機械メーカー。高い技術力を持ち、設計、加工、組立て、制御ソフトに至るまでの一貫生産体制で、短納期、低コストを実現させ、顧客から一定の評価を得ていました。また、国や山形県、鶴岡市などからものづくりの補助・支援を得ていました。
リーマン・ショック後には業況が悪化し債務超過へと転落しましたが、2011年頃から大手メーカーとの直接取引を含めた自動車関連の受注が拡大し、増収基調で推移。古河工場(茨城県古河市)と常盤木工場(山形県鶴岡市)に加え、2019年7月期には常盤木工場の隣接地にクリーンルームを備えた工場を開設し、増産体制を構築しました。ところが2020年7月期は下半期以降「新型コロナウイルス」感染拡大の影響を受けて受注が失速。これを受けてクリーンルームを活用した不織布マスクの生産にも着手していました。
2021年7月期は世界的な半導体不足を追い風に産業用ロボット関連が増産となったほか、マスクや足踏み式消毒液スタンドの受注も好調に推移し、売上高は過去最高となる50億円を突破しました。
しかし、主要取引先の株式会社オフィスエフエイ・コムが2022年7月29日東京地裁に民事再生法の適用を申請したことで同社に対する多額の不良債権が発生。さらに、同社およびエレメ実業株式会社との取引を利用した粉飾決済が発覚し、対外的な信用が失墜しました。
2022年7月期の決済では架空の売上を除いて計算した結果、売上高は約7億6800万円まで急減し、約3億2900万円の赤字を余儀なくされ、再び債務超過に陥りました。
自力での経営再建を断念し、今回の措置になりました。今後は営業と従業員の雇用は維持しながらスポンサー企業を選定し、事業譲渡を行う方針だということです。
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※本記事は株式会社東京商工リサーチが発行する「TSR情報」掲載の「倒産速報」を参照し、作成しております。