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債権回収

約束手形とはなにか? 受取手形との違いとその仕組みついて解説

手形

約束手形とは、商品やサービスの売買における代金決済手段の一つで、商取引の代金を指定の期日に支払うことを約束した有価証券です。約束手形は、企業間取引の頻度や金額の多い卸売業や製造業などの業種で、業務効率化などの観点から利用されています。

この記事では約束手形の仕組みについて詳しく解説します。

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約束手形とは?

約束手形とは、商品やサービスの売買における代金決済手段の一つで、商取引の代金を指定の期日に支払うことを約束した有価証券のことをいいます。

簡単にいうと、「今はお金がないが、近い将来入ってくるお金で代金を支払います」という約束を紙にしたものです。

この手形は購入者(振出人)と販売者(受取人)の間の取引として発生します。振出人は代金の支払いのために、受取人に対して約束手形を発行します。受取人はその手形に書かれた支払期日に、金融機関で手形の額面金額を現金にすることが一般的です。金融機関を通じての取引であるため、請求書や口頭による約束よりも、回収の確実性が高いという利点があります。


振出人には、支払いを先延ばしにできるメリットがあります。これにより、現金が手元になくても、適切なタイミングで購入が可能です。しかし、支払期日までに資金を用意できないと「不渡り」になる可能性があり、信用低下のリスクもあります。そのため、堅実な資金繰りが不可欠です。


受取人にとっては、確実に回収できる一方で、現金や小切手と比べて現金化に時間がかかる(約束手形の平均支払いサイトは約110日)というデメリットも存在します。このような背景から、経済産業省は2021年2月に、2026年までに紙の約束手形を廃止し、インターネットバンキングや電子記録債権による支払いに移行するように提言しています。その結果、約束手形の使用は減少しています。

参考

紙の約束手形(pdf) 経済産業省

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受取手形との違い

約束手形と受取手形は呼び方が異なるもので大きな違いはありません。


実際の手形の券面に記載される名称は「約束手形」と「為替手形」の2種類で、「支払手形」と「受取手形」は「立場による手形の呼び方」のことです。


つまり、約束手形であっても為替手形であっても、お金を支払う側の振出人にとっては「支払手形」であり、お金を受け取る側の受取人にとっては「受取手形」となり、会計処理も同様の名称で行われます。


受取手形は、約束手形と別の機能を持った手形ではなく、受取人からみた約束手形や為替手形の総称となります。

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約束手形の仕組み(発行から支払いまで)

約束手形の発行から支払いまでを説明します。

当座預金口座の開設

金融機関の審査を通過し、当座預金口座を開設する必要があります。この口座が開設できると、約束手形を発行できる「手形帳」がもらえます。

振出人による約束手形の振出し

振出人(発行者)が以下の項目を記入します。


  • 受取人の名前
  • 支払金額(特定の表記方法が求められる)
  • 振出日(支払期日より前)
  • 署名(自署または記名捺印)

受取人による約束手形の現金化

受取人は次の方法で手形を現金化できます。


  • 支払期日を含めて3営業日以内に全額現金化。
  • 手数料を支払い、支払期日前に現金化(手形の割引)。
  • 支払期日前に手形を第三者に譲渡(手形の裏書)。

以上が基本的な流れです。

約束手形の期日について

約束手形の支払期日について、以下4種類の決め方があります。


  1. 確定日払

最も一般的な決め方で、具体的な日付(例:2023年5月31日)が手形に書かれています。これまでの本記事における説明は、確定日払を前提としています。


  1. 日付後定期払

手形の発行(振出)日から数えて一定期間後が支払期日となります。たとえば、「日付後3ヵ月」と手形に書かれている場合がこれに該当します。


  1. 一覧払

手形の持ち主が「支払のための呈示」を行った日が支払期日となります。具体的な支払期日が手形に書かれていない場合、このタイプとされます。持ち主は振出日から1年以内にいつでも呈示を行い、現金化することが可能です。


  1. 一覧後定期払

「支払のための呈示」を行った日から、手形に記載された期間後が支払い期日です。例えば、「一覧後90日払い」と手形に書かれている場合がこれに該当します。

約束手形の裏書とは?

約束手形の裏書とは、手形を受け取った人が、別の第三者にそれを譲り、その手形を現金代わりに使うことを指します。具体的には、手形の裏面に譲る人(裏書人)の署名と、受け取る人(被裏書人)の名前を記入するのが一般的です。この譲渡は支払期日が来る前なら何度でも可能です。


裏書の良い点は、支払期日を待たず、追加の手数料なしで手形の全額を現金として使用できることです。逆に悪い点は、もし手形が不渡りになった場合、裏書人が振出人の代わりとなり、支払い責任を負うことです。さらに、裏書人が複数いると、その支払い義務は順にさかのぼって適用されます。


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約束手形と不渡りについて

約束手形の支払期日がくると、振出人は支払のための呈示を受けます。この時、振出人の当座預金口座の残高が足りなければ、手形を支払うことができません。この状況を「不渡り」といい、重大な結果が生じる可能性があります。


具体的には、同じ振出人が半年以内に不渡りを2回発生させると、金融機関との取引や当座預金取引が2年間停止されるペナルティが適用されます。これによって、振出人の会社の倒産リスクが高まる恐れがあります。


不渡りは振出人だけの問題ではありません。受取人も、支払期日にお金を受け取る予定が達成されないため、資金繰りに大きな支障をきたします。よって、不渡りは両者にとって非常にマイナスな影響をあたえます。


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まとめ

約束手形とは、商品やサービスの売買における代金決済手段の一つで、商取引の代金を指定の期日に支払うことを約束した有価証券のことをいいます。


振出人にとっては手元に現金がなくても商品やサービスを購入できるメリットがあり、受取人にとっても金融機関を仲介とした取引のため、口頭や請求書に比べ安全な決済手段だといえますが、現金化まで時間を要するのが難点です。


これに対し「手形の割引」や「手形の裏書」により支払期日前に実質現金化する手段はあるものの、そもそも長い支払サイトは受取人の資金繰りを圧迫することになります。


このようなことから、紙の約束手形を廃止し、現金払い等へ移行する国主導の動きもあり、約束手形による取引は減少傾向にあります。


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