日本電解(株)の概要
- 法人名:日本電解(株)
- 所在地:茨城県筑西市下江連1226
- 代表者名:中島英雅(社長)
- 業種:電解銅箔製造
- 資本金:23億5846万9602円
- 倒産形態:民事再生法申請
- 負債総額:147億6106万円
日本電解(株)について
日本電解(株)は、1958年に大手メーカー3社の共同出資で設立された旧・日本電解(株)を前身とし、2016年6月に新たに設立されました。電気自動車(EV)市場の成長を見据え、車載電池向け電解銅箔の製造に注力し、2021年6月には東証マザーズ(現・東証グロース)に上場を果たしました。2022年3月期には連結売上高約206億円、営業利益約10億円を計上し、事業は順調に拡大していました。
しかし、世界的な半導体不足、米国インフレ抑止法の影響による国内生産バッテリーの輸出減少、スマートフォン需要の減退、新型コロナウイルスによる市場環境の変動といった要因が重なり、経営環境が悪化。特に米国子会社の赤字が常態化し、2023年3月期には連結売上高が約170億円に減少、経常赤字は約18億円に達しました。
2024年には台湾の銅箔メーカーとの資本業務提携契約を締結し、また筆頭株主との資本提携を通じて約10億円の出資を受けるなど、資金調達を試みましたが経営再建は進まず、2024年3月期の連結売上高は約166億円、経常赤字は約13億円と、2期連続で赤字を計上しました。さらに2024年中間決算でも連結売上高は約88億円にとどまり、約50億円の純損失を計上する状況に陥りました。
再建を目指してスポンサーを探し続けたものの具体的な支援先が見つからず、2024年11月27日には米国子会社の解散および清算を決議。貸付金の回収困難に伴う多額の特別損失が見込まれ、債務超過に陥ることから東京地裁に民事再生法の適用を申請しました。
今回の倒産により、茨城県における上場企業倒産は2000年4月の東洋製鋼(株)以来24年ぶりの事例となり、地域経済への影響も懸念されています。今後は、民事再生手続きの進展とスポンサーの確保が再建の鍵を握ることになるでしょう。
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※本記事は株式会社東京商工リサーチが発行する「TSR情報」掲載の「倒産速報」を参照し、作成しております。
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