決算期や確定申告の時期が近づくと必要になるのが「支払調書」です。フリーランス(個人事業主)にデザインや原稿作成を依頼した際や、税理士や弁護士に報酬を支払った際に作成する機会の多い書類です。
近年、副業の解禁やフリーランスとして独立する人が増えたことで、企業が外部の個人に報酬を支払う場面は増加傾向にあります。外注先が増えれば、それだけ支払調書の作成件数も増えます。加えて、2023年10月にインボイス制度が始まったことで、取引先が適格請求書発行事業者かどうかによって消費税の取り扱いが変わり、経理業務はさらに複雑になりました。
そのため、支払調書の作成にあたり、「誰に対して発行・提出すべきなのか」「どのように記入すればいいのか」と悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、支払調書の基本的な意味や種類、提出期限といった基礎知識から、もっともよく使われる「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の具体的な書き方、作成時の注意点までを丁寧に解説します。すぐに実務で使える無料のExcelテンプレートもご用意していますので、ぜひ日々の経理業務にお役立てください。
支払調書とは?
支払調書とは、法人や個人に対し「誰に、どんな内容で年間いくら支払ったか」を税務署に報告するための書類です。法定調書の一種であり、所得税法・相続税法・租税特別措置法・国外送金等調書法の4つの法律で提出が義務づけられています。
税務署は、支払調書と確定申告書を照合し、申告内容が正しいかどうかを確認しています。源泉徴収が適切に実施されているかのチェックのために、支払調書は重要な役割を果たしているのです。
支払調書の主な種類
法定調書は約60種類あり、そのうち支払調書は35種類です。
中でも実務でよく使われる支払調書は、以下の4つです。
| 支払調書の種類 | 概要 |
| 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書 | 弁護士・税理士への報酬やフリーランスへの原稿料・デザイン料を支払ったときに作成する。 |
| 不動産の使用料等の支払調書 | 法人や不動産業者である個人が、賃借料・権利金・更新料を支払ったときに作成する。同一の者への年間支払合計が15万円を超える場合に提出が必要。 ただし、不動産事業者である法人に賃借料のみ支払う場合は提出不要。 |
| 不動産等の譲受けの対価の支払調書 | 不動産の売買・交換・競売で、同一の者への年間支払合計が100万円を超えたときに作成する。 |
| 不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書 | 不動産の売買や貸付けのあっせん手数料として、同一の者への年間支払合計が15万円を超えたときに作成する。 |
このうち企業が作成する機会がもっとも多いのは「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」です。
提出義務が発生する金額基準は、支払先の職種や報酬の種類によって異なります。
| 支払内容 | 提出義務が発生する基準 |
| 原稿料、講演料、弁護士・税理士報酬など | 同一人への年間支払額が5万円超 |
| 外交員・集金人・ホステスへの報酬、広告宣伝のための賞金など | 同一人への年間支払額が50万円超 |
| 馬主に支払う競馬の賞金 | 1回の支払賞金額が75万円超 |
| 診療報酬(社会保険診療報酬支払基金が支払うもの) | 同一人への年間支払額が50万円超 |
例えば、フリーランスのデザイナーに年間6万円の報酬を支払った場合は5万円超に該当するため、支払調書の提出が必要です。一方、年間4万円であれば基準以下のため、基本的には提出義務はありません。
また、法人に支払った報酬で源泉徴収の対象とならないものや、源泉徴収の限度額以下で源泉徴収をしていない報酬であっても、上記の基準に該当すれば支払調書の提出は必要です。源泉徴収をしていない場合でも提出が必要な点は見落としがちなので、注意しましょう。

支払調書の提出期限
主な支払調書の提出期限は、翌年の1月31日です。
1月1日から12月31日までの1年間に支払った金額をまとめ、税務署へ提出する形です。1月31日が土日にあたる場合は、翌月曜日が期限になります。
提出しなかった場合や虚偽の内容で提出した場合は、「1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」が科される可能性があります(所得税法第242条第5号)。提出遅れそのものに対する罰則は設けられていませんが、税務署から連絡が入る場合があるため、期限内の対応を心がけましょう。
なお、提出後に記載内容の誤りに気づいた場合は、訂正対応が必要です。当初提出分を「無効」として提出し直すとともに、正しい内容を「訂正分」として再提出します。
提出時には、個々の支払調書に加えて「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」を作成し、一緒に税務署へ提出します。法定調書合計表は、給与所得の源泉徴収票や支払調書の全体の集計をまとめた表紙のような書類です。
支払調書の提出が遅れると、取引先にも影響が及ぶ場合があります。フリーランスや個人事業主の中には、支払調書を参考にして確定申告の書類を作成する方もいるためです。支払調書の交付が遅れれば、取引先の申告作業にも支障が出かねず、信頼関係に悪影響を与えるおそれがあります。
また、提出が大幅に遅れると、税務署から「法定調書合計表」の内容について問い合わせが入るケースもあります。
年末調整が終わったら、なるべく早く支払調書の作成に着手しましょう。
支払調書の提出方法
支払調書の提出方法は、次の4つから選べます。
- 書面(手書きまたは印刷)
- e-Tax(国税電子申告・納税システム)
- 光ディスク(CD・DVDなど)
- クラウドサービス(国税庁長官の認定を受けたもの)
ただし、前々年に提出した法定調書の枚数が種類ごとに100枚以上だった場合は、書面での提出は認められません。e-Tax・光ディスク・クラウドサービスのいずれかで提出する必要があります。
e-Taxを利用する場合は、事前に「電子申告・納税等開始届出書」を税務署に提出し、利用者識別番号を取得しておく必要があります。初めて利用する場合は、セットアップに時間がかかるため、余裕を持って準備しましょう。
なお、2027年1月提出分(2026年分の支払い)からは、基準が「30枚以上」に引き下げられます。基準の判定には前々年である「2025年に提出した法定調書」の枚数が使われるため、電子提出が必要となる企業は今後増える見込みです。早めにe-Taxなどへの対応を進めておくと安心でしょう。
支払調書と源泉徴収票の違い
支払調書と混同されがちな書類に「源泉徴収票」があります。
いずれも法定調書で税務署への提出が義務づけられています。ただし、以下のような違いがあります。
| 項目 | 支払調書 | 源泉徴収票 |
| 対象の支払先 | 従業員以外(フリーランス、税理士、弁護士など) | 従業員(給与・賞与・退職金の支払先) |
| 主な記載内容 | 報酬・料金の金額と源泉徴収税額 | 給与の金額と源泉徴収税額 |
| 交付義務 | なし | あり |
両者は、支払先が従業員かどうかで使い分けが異なります。
また、源泉徴収票は従業員本人にも交付しなければなりませんが、支払調書は支払先へ交付する義務はありません。支払先から交付を求められた場合に、任意で渡す形になります。
なお、支払調書と源泉徴収票は、どちらも翌年1月31日までに税務署へ提出する必要があります。年末年始の慌ただしい時期に両方の書類を並行して作成する点は共通しているため、早い段階からスケジュールを立てて準備しておくと安心です。
支払調書の書き方

ここでは、企業が作成する機会の多い「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」を例に、各記載項目の書き方を解説します。
支払調書の用紙は国税庁のWebサイトからPDF形式でダウンロード可能で、手書きでの作成にも対応しています。
記載すべき項目は細かく定められており、記入漏れや金額の計算ミスがあると、提出後に税務署から修正を求められる場合もあるため、各項目を丁寧に確認しながら作成しましょう。
支払を受ける者
「支払を受ける者」には、報酬や料金を受け取った人の情報を記入します。具体的には、以下の情報を記載します。
- 住所(または所在地)
- 氏名(または法人名)
- マイナンバー(個人番号)または法人番号
個人事業主に屋号がある場合でも、屋号のみの記載は認められません。必ず個人の氏名を記載してください。法人の場合は、登記上の正式名称を記入します。住所は、支払調書を作成する日時点の住所を記入します。引っ越しなどで住所が変わっている場合は、最新の住所を確認してから記入しましょう。
マイナンバー・法人番号は右詰めで記入します。ただし、マイナンバーの記載が必要となるのは税務署への提出分のみです。支払先に確認用の控えとして渡す場合は、マイナンバーを記載した状態での交付は認められないため注意しましょう。
関連記事:法人番号でわかること 倒産・破産した企業での扱いとは
区分
「区分」は、どのような報酬・料金を支払ったかを示す項目です。以下のように、何に対する報酬かが明確に分かるように記載しましょう。
- 原稿料
- 講演料
- 税理士報酬
- 弁護士報酬
- デザイン料
- 翻訳料
- 外交員報酬
- 契約金
区分は、提出対象の判定(5万円超か50万円超かなど)にも関係する項目です。記入を誤ると、提出義務の判定結果が変わってしまうため、正確に記載する必要があります。
細目
「細目」は、区分をさらに具体的に補足するための項目です。以下のように、作品名や事件名、支払回数などを詳しく記載します。
| 区分 | 細目の記載例 |
| 原稿料 | 原稿のタイトルと支払回数(例:「Webコラム全12回」) |
| 講演料 | 講演の名称(例:「○○セミナー」) |
| 弁護士報酬 | 関与した事件名 |
| 印税 | 「書き下ろし初版印税」または「その他の印税」 |
| 出演料 | 出演した映画・演劇の題名 |
| 広告宣伝のための賞金 | 賞金の名称 |
税務署が支払いの内容を正確に把握できるよう、分かる範囲で具体的に書いておくと、提出後の問い合わせを防げるでしょう。
支払金額
「支払金額」には、1月1日から12月31日までの1年間に支払いが確定した合計金額を記載します。ここで注意すべき点が3つあります。
1つ目は、未払いの報酬も含める点です。年末時点でまだ支払っていない金額がある場合は、支払金額欄の上段に未払額を内書きし、下段に年間の確定金額合計(未払いを含む)を記入します。例えば、年間報酬が240万円で、そのうち20万円が12月末時点で未払いの場合、上段に「200,000」と内書きし、下段に「2,400,000」と記入します。
2つ目は、消費税の扱いです。原則として消費税を含めた税込金額で記載します。ただし、請求書上で報酬と消費税が明確に区分されている場合は、税抜金額で記載しても問題ありません。どちらの方法で記載するかは社内で統一しておくと、集計時の混乱を防げるでしょう。
3つ目は、源泉徴収の対象外となる報酬・料金も含める点です。提出範囲に該当するものは、源泉徴収の有無にかかわらず記載しなければなりません。
源泉徴収税額
「源泉徴収税額」には、1年間に源泉徴収した所得税および復興特別所得税の合計額を記載します。未払い分に対してまだ徴収していない税額がある場合は、上段に未収税額を内書きしてください。
源泉徴収税額の計算方法は、支払金額によって税率が異なります。
| 支払金額 | 税率 |
| 100万円以下 | 10.21%(所得税10% + 復興特別所得税0.21%) |
| 100万円超の部分 | 20.42%(所得税20% + 復興特別所得税0.42%) |
源泉徴収税額の計算で間違えがちなのは、100万円を超える報酬への税率の適用方法です。例えば年間報酬が150万円の場合、150万円全体に20.42%をかけるのは誤りです。正しくは、100万円までの部分に10.21%、100万円を超えた50万円の部分に20.42%をそれぞれ適用します。
例えば、ライターへの年間報酬が150万円の場合、源泉徴収税額は以下のとおりです。
- 100万円 × 10.21% = 102,100円
- 50万円 × 20.42% = 102,100円
- 合計:204,200円
1円未満の端数は切り捨てます。また、請求書で消費税額が明確に区分されている場合は、消費税を除いた報酬額に対して源泉徴収税額を計算しても差し支えありません。
また、同じ取引先に複数回に分けて報酬を支払った場合、1回ごとの金額ではなく年間の合計額をもとに計算します。例えば月額10万円を12カ月支払えば年間120万円となり、100万円超の税率が適用される計算です。毎月の源泉徴収額と年間の合計額にずれが生じる場合もあるため、年末に改めて確認しましょう。
なお、司法書士への報酬の源泉徴収は、「1回の支払いにつき」報酬額から1万円を差し引いた金額に対して10.21%を乗じて計算します。支払調書には、毎回徴収した金額の年間合計を記載してください。
例えば司法書士報酬が1回あたり10万円なら、(100,000円 – 10,000円) × 10.21% = 9,189円が源泉徴収税額になります。
摘要
「摘要」欄は、報酬の支払いに関する補足事項を書くための項目です。具体的には、以下のような情報が該当します。
- 支払先が「源泉徴収の免除証明書」を提出した場合は、その旨を記載
- 支払先が災害により源泉所得税の徴収猶予を受けた場合は、猶予税額を記載し頭に「災」と付記
- 広告宣伝のための賞金が金銭以外の場合は、その旨と金額を記載
- 診療報酬のうち家族診療分がある場合は、金額を記載し頭に「家族」と付記
該当する項目がなければ空欄でかまいません。ただし、摘要欄に補足情報を記入しておくと、後から支払いの内容を確認するときに役立ちます。
支払者
「支払者」欄には、報酬を支払った企業や個人の情報を記入します。主な記載項目は、以下のとおりです。
- 住所(または所在地)
- 氏名(または法人名)
- 電話番号
- マイナンバーまたは法人番号
法人の場合は法人番号を記載しますが、個人事業主の場合はマイナンバーの記載が必要です。記入漏れのないよう確認してから提出しましょう。
支払調書の作成が完了したら、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」を添付し、翌年1月31日までに所轄の税務署へ提出します。
【無料ダウンロード】すぐに使える支払調書のExcelテンプレート
実務上よく使われる「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」のExcelテンプレートを用意しました。無料でダウンロードできますので、ぜひご活用ください。
テンプレートには、先ほど解説した「支払を受ける者」「区分」「細目」「支払金額」「源泉徴収税額」「摘要」「支払者」の各項目欄がそろっています。記入例を参考にしながら入力すれば、初めて作成する方でも迷わずに仕上げられるでしょう。Excelのセルに直接入力できるため、手書きによる計算ミスも防げます。取引先ごとにシートを分ける、あるいは1つのシートに一覧で管理するなど、自社の業務に合わせてカスタマイズしてお使いください。
テンプレートを使う際は、以下の点を確認しておくとスムーズです。
- 年度が正しく入力されているか(テンプレートの上部に「令和○年分」と記載する欄がある)
- 支払を受ける者のマイナンバーは、税務署提出用にのみ記載する(控えには記載しない)
- 未払い額がある場合は、支払金額欄の上段に内書きする形で入力する
手書きの用紙を利用する場合は、国税庁のWebサイトからPDF版をダウンロードすれば手書き用のフォーマットも入手可能です。
なお、支払調書をe-Taxで電子提出する場合は、e-Taxソフトから直接入力・送信する方法もあります。提出枚数が多い場合や電子提出が義務づけられている場合は、e-Taxの活用も検討してみてください。
支払調書を作成する際のポイント
支払調書の作成にはいくつか注意すべきポイントがあります。記入ミスや手続き漏れがあると、税務署から指摘を受けたり、再提出を求められたりするおそれがあるので気をつけましょう。
ここでは、実務で押さえておきたい4つのポイントを解説します。
個人に支払う場合は「マイナンバー」を確認する
フリーランスや個人事業主へ報酬を支払った場合、支払調書にはマイナンバーの記載が必要です。支払いが発生する前に、取引先からマイナンバーの提供を受けておきましょう。
マイナンバーの記載がない場合、提供を拒否されたなどのやむを得ない事情がある場合を除き、原則として再提出を求められます。やむを得ず記載できなかった場合は、その経緯を記録として残しておくと、税務署からの問い合わせにもスムーズに対応できるでしょう。
提出時期の1月に慌てて集めると、相手への連絡が間に合わない場合もあります。新しい取引先と契約を結んだ段階で、マイナンバーの確認を済ませておくのがおすすめです。
また、税務署に提出する支払調書にはマイナンバーの記載が必須ですが、支払先本人に控えとして渡す場合はマイナンバーを記載してはなりません。マイナンバーは個人情報の中でも取り扱いが厳格に定められているため、社内での保管・管理にも注意してください。
支払先が非居住者や外国法人でないか確認する
報酬の支払先が日本の非居住者や外国法人にあたる場合は、通常の「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」ではなく「非居住者等に支払われる給与、報酬、年金及び賞金の支払調書」を提出しなければなりません。
非居住者とは、日本国内に住所を持たず、かつ1年以上日本に居所がない個人を指します。海外在住のフリーランスに翻訳やデザインの業務を委託した場合が該当するでしょう。
リモートワークの普及に伴い、海外在住の人材に業務を依頼するケースは増えています。支払先の居住状況は契約の段階で確認し、該当する場合は使用する調書の種類を間違えないように気をつけましょう。
また、非居住者への報酬は源泉徴収の税率や計算方法も異なるため、通常の取引とは分けて管理するのが望ましいです。
支払先から支払調書の交付を求められる場合がある
法律上、支払調書を支払先に交付する義務はありません。しかし、フリーランスや個人事業主が確定申告の参考資料として交付を求めてくるケースは多いです。
支払調書がなくても確定申告は可能ですが、取引先が収入や源泉徴収税額を正確に把握するために便利な書類です。交付を求められた場合は、任意で対応しましょう。
なお、交付の依頼が多い場合は、支払調書の作成時に提出用と交付用を同時に準備しておくと効率的です。毎年1月の繁忙期に個別対応するよりも、あらかじめ運用ルールを決めておくほうが担当者の負担を減らせます。
その際、税務署提出用の支払調書にはマイナンバーを記載しますが、支払先に交付する控えにはマイナンバーを記載しない状態で渡す必要があります。提出用と交付用を別々に作成するか、マイナンバー欄を空欄にしたコピーを用意するなどして対応しましょう。
支払金額の計算方法に注意する
支払調書の提出義務が発生するかどうかを判定する金額基準は、原則として消費税を含めた税込金額で計算します。ただし、請求書上で消費税額が明確に区分されている場合は、消費税を除いた金額で判定しても問題ありません。
例えば税理士への年間報酬が税抜50,000円、消費税が5,000円の場合を考えます。消費税が明確に区分されていれば、50,000円で判定できるため、提出義務の基準である「5万円超」には該当しません。一方、消費税を含めて55,000円で判定すると「5万円超」に該当し、提出義務が発生します。
判定基準の違いで提出の要否が変わるため、請求書の記載内容を確認した上で、社内のルールを統一しておきましょう。消費税の区分が不明確な請求書を受け取った場合は、税込金額で判定するのが安全です。
また、支払金額の集計期間は「1月1日から12月31日」の暦年ベースです。会計年度が4月~3月の企業でも、支払調書の集計は暦年で区切る点を間違えないよう注意してください。年度の途中で取引が始まった場合でも、その年の1月1日以降に確定した支払金額の合計で提出義務を判定します。
まとめ
支払調書は、企業が税務署に対して「誰に、どんな報酬を、年間いくら支払ったか」を報告するための法定調書です。企業が作成するもっとも一般的なケースは、弁護士・税理士やフリーランス(ライター、デザイナーなど)への「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」でしょう。
作成にあたっては、マイナンバーの事前確認、支払先の居住者・非居住者の区分、消費税を含めた金額判定の統一など、細かい確認事項が多くあります。提出期限の1月31日に間に合うよう、年末調整の作業と並行して計画的に準備を進めましょう。2027年からは電子提出の義務化基準が30枚以上に引き下げられるため、e-Taxへの対応も視野に入れておくと安心です。
また、個人事業主やフリーランスなどへの外注が増えれば、それに伴って支払調書の作成業務も増加します。支払調書の提出期限である1月末周辺は、年末調整の対応なども重なり、経理担当者にとって1年でもっとも忙しい時期です。
万が一、この多忙な時期に取引先の倒産や未入金トラブルが発生すれば、事後対応に追われ、本来優先すべき税務申告業務に支障をきたしかねません。 こうしたリスクを回避し、本来の業務に集中するための備えとして、売掛保証サービスの活用も有効な手段の一つです
売掛保証サービスとは、取引先が売掛金を支払えなくなった場合に、保証会社が代わりに代金を支払ってくれる仕組みです。事前に取引先に保証をかけておけば、万が一の未入金が発生しても自社が損害を受ける心配がなくなります。
「URIHO(ウリホ)」は、月額の定額料金で利用できる売掛保証サービスです。事前にURIHOが取引先の与信審査を行うことで、取引先の倒産や支払い遅延が発生した場合でも、代金を受け取ることができます。保証金額が増えても月額料金は変わらないため、取引の拡大にも安心して対応できるでしょう。
売掛金の未回収リスクを減らし、安定した経営を続けたい方は、ぜひURIHOの導入を検討してみてください。