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債権回収

取引信用保険の解説 ファクタリングや売掛保証との違いもあわせて紹介

取引信用保険

取引信用保険に加入すると、売掛債権が回収不能に陥った場合に損失を保険金で補填できるので資金繰りの悪化を防ぐことができます。この記事では取引信用保険の概要をはじめ、中小企業倒産防止共済やファクタリング、売掛保証との違いについても解説します。

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取引信用保険とは?

取引信用保険とは、取引先の倒産で売掛債権が回収不能に陥った場合に損失を補填する保険です。売掛債権が未収になると資金繰りが悪化して経営にも重大な影響を及ぼします。取引信用保険は貸倒れ損失を補填することで経営の保全を支援する手段といえるでしょう。


取引信用保険で支払われる保険金は契約時に設定された支払限度額か「損害額×縮小率(95%前後)」のどちらか低いほうの金額とするのが一般的です。ただし中小企業向けの保険では自己負担額と縮小率の適用がなく、支払限度まで満額を補填できる場合もあります。


取引信用保険の保険料(掛け金)は契約企業の規模によって異なりますので、詳しくは保険会社の窓口やWebサイトなどでご確認ください。

中小企業倒産防止共済との違い

中小企業倒産防止共済とは、中小企業倒産防止共済法に基づく共済制度です。取引先が倒産して売掛債権の回収が困難になった場合に無担保・無保証人で共済金の貸付けが受けられます。掛金は5,000~200,000円までの範囲で選択可能。積立限度額は800万円です。


取引信用保険と中小企業倒産防止共済との違いは、中小企業倒産防止共済が共済金の貸付制度だということ。貸付けを受けた共済金は5~7年以内に返済しなければなりません。貸付けできる共済金は積み立てた掛金総額の10倍以内。上限額は8,000万円です。


金利はつきませんが、共済金の貸付けが行われると貸付額の10分の1に相当する掛金の権利が失われます。

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ファクタリングとの違い

ファクタリング(factoring)とは、企業や事業者が保有する支払い期日前の売掛債権を、ファクタリング会社が所定の手数料で買い取るサービスのことです。ファクタリングを利用すれば支払い期日前の売掛債権を現金化できるため、キャッシュフローの改善が見込まれます。


この種のファクタリングは売掛債権を買い取ることから「買取型ファクタリング」とも呼ばれます。買取型ファクタリングを利用するには手数料がかかりますが、借り入れや融資ではないため負債が増えないというメリットも。手数料率は条件によって変わります。


買取型ファクタリングは取引信用保険とは違い、法律的には債権譲渡(債権の売買)契約に該当するサービスです。近年ではファクタリングを装って違法な高金利で貸付けを行うヤミ金業者が横行しており、金融庁が注意を呼びかけています。


ファクタリングには買取型以外にも、売掛債権の貸倒れが発生した場合に保証会社が保証金を支払う保証型ファクタリングがあります。保証型ファクタリングでは債権の譲渡は行いません。


保証型ファクタリングは貸倒損失を補填するという意味では取引信用保険と同じです。ただし契約内容などに細かい違いがあります。詳細については後述する「売掛保証との違い」の項で解説します。

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取引信用保険を利用するメリット

取引信用保険を利用するメリットは大きく分けてふたつあります。ひとつは売掛債権の貸倒れリスクを回避できること。取引先が倒産して債権を回収できなくなった場合に保険金が支払われるため、連鎖的に資金繰りが悪化するデフォルトリスクを回避できます。


もうひとつは取引信用保険に加入することで取引先の信用情報が得られること。取引信用保険を申し込むと、契約に先立って保険会社が取引先企業の信用調査を行います。取引先の返済実績や信用情報に問題があると保険契約はできません。


取引信用保険を利用すれば自社の与信審査に加えて保険会社から信用情報を取得できるため、より正確な審査が可能。取引信用保険の契約が決まれば取引先の信用が保証されるので、融資を受けている金融機関からの信用も合わせて向上するメリットもあります。

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売掛保証との違い

売掛保証とは取引先の倒産や資金繰りの悪化で回収不能となった売掛債権を保証する金融サービスのことです。売掛保証もまた取引信用保険と同様に企業の貸倒れ対策として有効なリスク管理方法のひとつです。


売掛保証と取引信用保険は「売掛債権のリスク回避を目的とした金融サービス」という点では同じですが、保証内容や支払い条件などに細かい違いがあります。


まず取引信用保険は大手損害保険会社が提供する法人向けの保険サービスです。保証内容は各社ともほぼ同じで、対象となる取引先は「全取引先」か「売上高上位〇社」といった区分で選択します。


取引信用保険では保険対象の取引先を個別に指定することはできません。


一方、売掛保証はクレジット会社やファイナンス会社、銀行などの金融機関が取り扱っています。保証内容は取引信用保険よりも柔軟で、新規の取引先なら1社から利用できるケースも。保証金についても縮小率がなく100%保証されるケースがほとんどです。


 ちなみに「保証」とは「間違いや問題がないことを認めて責任をもつこと」または「債務者が債務履行をしない場合、債権者に対して債務者の代わりに債務履行の義務を負うこと」。「補償」とは「財産や健康等の損失を金銭で償うこと」を意味する保険用語です。

まとめ

取引信用保険とは、取引先の倒産で売掛債権が回収不能に陥った場合に損失を補填する保険です。


中小企業倒産防止共済は取引先の倒産で売掛債権の回収が困難になった中小企業に共済金を貸付ける制度です。


ファクタリングは支払い期日前の売掛債権を所定の手数料で買い取るサービスです。


取引信用保険には貸倒れリスクを回避できることと、取引先の信用が高まるというメリットがあります。


売掛保証は取引信用保険と機能的に同じ金融サービスですが、保証内容や支払い条件などに細かい違いがあります。


売掛債権の回収でお悩みの方は売掛金保証サービス「URIHO(ウリホ)」もご検討ください。URIHOは、取引先の倒産や未入金時に取引代金を代わりにお支払いするサービスです。事前に取引先に保証をかけておくことで、与信管理をしなくても安心して取引を行うことができます。また、督促業務に時間や労力を割く必要がなくなり、営業活動に集中することが可能です。


また、URIHOはすべての手続きがWeb上で完結し、スピーディに利用開始することが可能です。売掛金の回収にご不安がある場合は一度導入をご検討ください。

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