
取引先との支払いのやりとりで請求書を使って支払うことはよくあります。そして、請求書が届かないというトラブルもたまに生じます。単発や臨時の取引の場合、相手側の会社の担当者が請求書発行を忘れている可能性もあります。また、郵送の際に何かトラブルが起きた可能性もあります。いずれにせよ、本来届くはずの請求書が届いていない場合、先方に確認が必要です。
この記事では、請求書が届かない場合に必要な確認事項は何か、感じの悪くないように確認するにはどうしたら良いかなどについて解説いたします。

請求書が届かない場合に確認すること
請求書が届かない場合に考えられる1番の要因は、先方の出し忘れです。請求書が届いていない場合、先方にまず確認をしましょう。
請求書の出し忘れがないかの確認
先方の担当者、もしくは経理担当者が請求書の発行を忘れている可能性が考えられるため、直接問い合わせましょう。普段、電話でのやりとりが多い担当者にはまず電話で確かめてみるのが良いでしょう。「請求書発行し忘れていませんか」などと言うとストレート過ぎて、言い方によっては相手を責めているようにも聞こえるため、伝え方には工夫が必要です。
- 「●●の件の請求書はいつ頃発行予定でしょうか。」
- 「●●の件の請求書がまだ弊社に届いていないようなのですが、、、」
などと『相手が忘れている、相手の不手際だ』ということが強調されないような伝え方をします。大抵の担当者は自社の損失に関わることなので、すぐに確認を取ってくれるはずです。
先方からの連絡があったかの確認
先方への確認を行う前に、自分が請求書をどこかにしまっていないか、メールなどの添付を見落としていないかを再度確認しましょう。
いつもの取引先であれば、紙の請求書かオンライン(メール等)での請求書か決まっているので、見落としがないか確認します。また、単発や臨時の案件で請求書が発行される場合は紙もオンラインも今一度確認した方が良いでしょう。郵送の場合、他の郵便物と混ざっていたり、同じ部署の他の担当者のところに届いていたりする可能性もあるため、周りの人にも確認して、本当に届いていないかを確かめます。
請求書の催促メールのポイント
請求書が届いていなかった場合に先方に催促メールを送ります。経理処理の期日まで日数がない場合や、いつも電話でやりとりをしている人の場合は電話を先にして、必要であれば書面で残すという意味で請求書の依頼メールを送りましょう。
件名は簡潔に
一目見て何が書かれているか分かるよう、件名は短く簡潔に書きます。1日に何十通、何百通とメールが届いている担当者の場合、重要なメールだけ処理するため、件名が分かりづらいと読むのが後になってしまう傾向があります。
件名の例)
- 【●月分 請求書について】▲▲案件(●●会社)
- 【請求書についてご確認をお願いします】●月▲▲案件(●●会社)
上記の例のように、請求書の件で連絡をしているというのが一目で分かるように件名の最初に『請求書』という言葉を入れています。自分の名前を入れても良いですが、長くなるようなら会社名、担当部署くらいまでに留めておきます。
催促だからと強い口調での文面にならないようにする
請求書を発行していない先方が悪いのだから、といって強い口調で催促メールを送るのはやめましょう。期日が迫っているとついつい焦りもあり、「なんで早く送ってくれないんだ」「なぜ忘れているんだ」と苛立ちを覚えるかもしれませんが、お互い人間で忘れてしまうこともあります。また、先方は既に送付済みで郵便の関係で届いていないケースもあるので、先方に強い口調で詰め寄るのは控えましょう。
丁寧な口調としてクッション言葉を使用します。「お忙しいところ」「ご多忙中のところ」「お手数をおかけして申し訳ありませんが」などがよく使われるクッション言葉です。
行き違いで送っていると想定した文面を入れる
請求書が届いていないのはメールを送っている時点でのことです。先方はすでに請求書を送付していて、郵送中の可能性もあります。メールをもらった先方の担当者は「送ったはずなのに届いていない」と余計な心配をしてしまいますので、以下の一文を入れるようにしましょう。
「本メールと行き違いになった場合は、(何卒)ご容赦くださいませ。」

請求書の催促メール文面
件名:【●月分 請求書について】▲▲案件(●●会社)
本文:
お世話になっております。
●●会社▲▲部●●(名前)です。
請求書(●月▲▲案件)が本日○時現在、確認できておりません。
※案件のリンク(やりとりの内容)などを添付するとなお良い。
お忙しいところ恐縮ですが、ご確認いただきたく、よろしくお願いいたします。
なお、請求書の弊社への到着が●月●日(▲)を過ぎてしまいますと、お支払いが翌月になってしまう可能性がございます。(遅れてしまう可能性がございます。)
未発送の場合は早めにご郵送いただけますと幸いです。
また、PDF等で送付が可能でしたら、一旦そちらで仮処理をいたしますので、メールの返信にてお送りいただければと存じます(本処理には請求書原本が必要です)。
本メールと行き違いになった場合はご容赦くださいませ。
何卒よろしくお願いいたします。
―――――
署名(会社名、部署名、担当者名、連絡先など)
―――――
(※普段やりとりがない会社の場合はもう少し固い言葉遣いが良い)
請求書が来ていない場合、支払いの義務はある?
請求書がないと経理処理ができないとよくいわれますが、実際には請求書がなくても支払い義務は生じます。請求書を送付し忘れた先方のミスの場合でも、明らかに取引を行った事実がある場合は支払いをしなくてはなりません。
請求書が届いておらず、そのことを連絡もせず、支払いをしなかった場合、翌月やそれ以降に先方からまとめて請求がくる場合もあります。その場合はまとめて支払うことになります。社内の予算の関係もあるため、月ごとの期日を守って処理するようにしましょう。
ただし、民法166条には『債権等の消滅時効』として以下の条文が掲載されています。
債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。
つまり、請求書が届かず、取引先へも確認せず、5年が経ってしまえば支払い義務は消滅してしまうということです。悪徳な会社の場合、「先方が気づかないなら5年放置してしまおう」と考えるかもしれません。しかし、ビジネス上の付き合いとして、踏み倒し行為を行っている会社と取引をしたいとは思わないでしょう。ビジネスの取引は信頼の上で行われているため、最低限のビジネスモラルは守ることが大切です。
まとめ
請求書が期日までに届いていないと、経理処理がギリギリになってしまいます。できれば請求書がきたら早めに処理を行いたいものです。早めに処理することで、請求書が(通常届く時期になっても)届いていない場合にはすぐに対処できます。もちろん先方の送付タイミングもあるため、通常より数日遅れることはありますので、その部分は考慮が必要です。
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