企業や個人事業主の資金調達の方法の1つとして注目されているのが請求書を現金化する請求書買取サービス、ファクタリングです。
この記事では請求書買取サービスについて説明し、メリット、デメリット、類似していて混在しやすいサービスと比較し解説をいたします。
請求書買取サービスとは?
請求書買取サービスは、企業や個人事業主が取引先に対して発行した請求書を、特定のサービス会社が買い取る仕組みです。このサービスによって、取引先からの支払いを待つよりも早く売掛金を現金化することが可能で、ファクタリングとも呼ばれます。
請求書買取サービスによる資金調達は融資と比較して負担が軽く、容易に資金調達が可能な場合が多いのが特徴です。
関連記事
ファクタリングとはなにか ファクタリングの種類と保証ファクタリングの解説 | URIHO BLOG
保証ファクタリングとはなにか 買取型のファクタリングとの違いもあわせて解説 | URIHO BLOG
資金調達の種類を解説 経営難に陥る前にできる対策もあわせて紹介 | URIHO BLOG
請求書払いとは 支払方法の種類メリット・デメリットを解説 | URIHO BLOG
ファクタリング・請求書買取サービスの仕組み
請求書買取サービスは、通常、次のような手順で行われます。
まず、売主の会社が取引先に対して商品やサービスを提供します。提供後、請求書を発行し、費用の請求を行います。この請求書を請求書買取サービス会社に売却し、資金調達が行われます。
このプロセスには基本的に「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の二つの形があり、2社間ファクタリングの場合、取引先は請求書の期日までに依頼元の会社に売掛金を支払います。そして依頼元の会社は、その受け取った金額を請求書買取サービス会社に支払います。一方で、3社間ファクタリングの場合は、取引先は請求書の期日までに直接請求書買取サービス会社に売掛金を支払います。
2社間ファクタリング
2社間ファクタリングは、売主の会社と請求書買取サービス会社の間で契約が結ばれ、金銭のやりとりが行われる方式です。この方法では、売り主の会社と取引先、そして売り主の会社と請求書買取サービス会社、この「2社間」でそれぞれやりとりが行われます。
具体的には、売り主の会社と取引先間では、通常通りサービスや商品の提供、請求書の発行、そして売掛金の回収が行われます。一方で、売り主の会社と請求書買取サービス会社の間では、請求書を売却し、その代金を受け取ります。取引先からの支払いが完了したら、売り主の会社はその売掛金を請求書買取サービス会社に支払い、すべての取引が終わります。
関連記事
2社間ファクタリングとは3社間ファクタリングとの違いを解説 | URIHO BLOG
3社間ファクタリング
3社間ファクタリングは、売り主の会社、取引先、そして請求書買取サービス会社、これらすべての会社が関与する方式です。この方式と2社間ファクタリングとの主な違いは、取引先が、ファクタリングが行われていることを知るかどうかです。
具体的には、売り主の会社は取引先に対して売掛金の債権譲渡を通知し、承認を得る必要があります。その後、取引先と請求書買取サービス会社が債権譲渡契約を結びます。最後に、取引先は売り主の会社ではなく、請求書買取サービス会社に売掛金を支払います。
関連記事
3社間ファクタリングとは2社間ファクタリングとの違いを解説 | URIHO BLOG
請求書買取サービスのメリット
保証人や担保が不要
請求書買取サービスでは、銀行融資と違って、保証人や担保が不要です。サービス提供会社が事前に綿密な調査を行い、売掛金の回収が確実であると判断された場合にのみ契約を結びます。このため、手続きは比較的簡単で、素早く資金調達が可能です。
迅速に現金化が可能
多くの資金調達方法では時間がかかることが多いですが、請求書買取サービスは審査期間が短く、契約後すぐに現金化が可能です。場合によっては、契約から数日で資金が振り込まれることもあります。
請求書買取サービスのデメリット
請求書買取サービスには以下のようなデメリットが考えられます。
手数料が発生する
請求書買取サービスを利用する際には、一定の手数料が必要です。この手数料は、他の資金調達方法と比較すると高い場合が多いです。コスト面だけを考慮すると、大手銀行のビジネスローンなどが有利なケースもあります。
債権譲渡登記が必要
2社間ファクタリングの場合、債権譲渡登記が求められることがあります。複数の買取会社に同じ請求書を販売した場合、その権利関係の整理が必要になります。
業者選びが難しい
請求書買取サービスは多くの業者が提供しており、中には不良業者も存在します。不良業者に当たると、非常に高い手数料を請求される可能性もあります。業者選びには十分な注意が必要です。
以上のデメリットを考慮して、自社に最も適した資金調達方法を検討することが重要です。請求書買取サービスは手軽で速やかな資金調達が可能ですが、コストや条件、業者の信頼性などをしっかりと評価する必要があります。
関連記事
債権譲渡の解説 一般的な流れと債権譲渡時の注意点とは | URIHO BLOG
債権譲渡登記とは 必要な場面の解説 | URIHO BLOG
請求書買取サービスと請求書支払い代行サービスの違い
請求書買取サービスと請求書支払い代行サービス、名称がかなり似ていますが、内容は異なります。請求書買取サービスは売掛金を請求書買取サービス会社に売却し、取引先の支払いを待たずして、現金化できる仕組みです。一方、請求書支払い代行サービスは、買掛金を期限内に支払わず、クレジットカード払いにすることで、支払い期間を延長する仕組みです。
請求書買取サービスは、別名ファクタリングとも呼ばれ、多くのサービス会社が存在します。元々は大手銀行や大手地方銀行の関連会社が行っていたサービスですが、現在では請求書買取サービスに特化した会社が多数あります。一方で、請求書支払い代行サービスは、クレジットカード決済を行うため、クレジットカードの会社が主体となり、行っているサービスです。手数料はかかりますが、資金繰りの改善が図れること、クレジットカード決済に対応していない取引先の支払いに関しても対応可能であることがメリットとしてあげられます。
関連記事
支払いサイトとは 支払いサイトの種類とキャッシュフローについてもあわせて解説 | URIHO BLOG
資金繰りの解説 重視すべきポイントとキャッシュフローとの違いについて | URIHO BLOG
まとめ
請求書買取サービス、またはファクタリングは、売掛金を迅速に現金化する方法として多くの企業に採用されています。これには資金調達の速さが大きなメリットとされています。しかし、その一方で、手数料が高めであることなどのデメリットもあります。これらの要素を総合的に考慮し、自社の状況に最適な資金調達方法wwを選ぶことが重要です。