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債権回収

貸付金とは 貸付金の種類と売掛債権との関係を解説

貸付金とは 貸付金の種類と売掛債権との関係を解説

貸付金はお金を貸すことです。金融機関でない限り、企業が誰かにお金を貸すということはあまりないと思われるかもしれませんが、実際には貸付金科目を使った会計処理を行うケースはよくあります。企業が法人や個人に貸付をおこなう場合、会計上では守るべきルールがいくつかあります。


この記事では、貸付金の定義や種類、貸付金と類似する勘定科目などについて解説します。貸倒引当金を計上する際の、貸付金債権と売上債権の評価方法についてもあわせて紹介いたします。

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貸付金とは?

貸付金は、文字通り、誰かに貸し付けたお金のことで法人個人を問わず、また社外の方だけでなく社内の方も対象となります。


貸付金は社外であれば、取引先に対して資金繰りを援助するために貸し付けるようなケースが該当します。社内であれば、たとえば従業員に対して給料の前払いをおこなうケースは貸付金として処理されることが多いです。


また中小企業では社長個人が払うべきお金を会社のお財布から一時的に払うようなケースがありますが、会計上ではこの場合、会社から社長個人にお金を貸し付けそれで支払いをまかなったとして、貸付金計上します。


財務諸表では、貸付金は短期貸付金と長期貸付金に分類され、将来的な入金が見込まれるため資産として扱われます。また、貸付金に類似した性質を持つものに売掛金や未収入金があります。これらは本業に関連するものが売掛金、そうでないものが未収入金とされます。


貸付金と未収入金は主に本業以外での金銭の貸与に関連し、企業によってはその線引きが不明瞭なこともあります。目的や用途に応じて使い分けることで、各貸付の目的と現在の額を把握することが可能です。貸付けが常態化している場合には、明確な計上ルールを設定することが推奨されます。ただし、災害時の支援など特別な理由がある場合を除き、貸付金が大量に計上されている状態は望ましくありません。


また貸付金と反対な意味をもつ科目として借入金があります。これも短期借入金と長期借入金に分かれ、特に長期借入金は金融機関からの借入れが一般的です。返済期限が1年未満になった長期借入金は短期借入金に振り替えられます。

短期貸付金とは?

短期貸付金とは、1年以内に返済される見込みのある貸付金をいいます。ただし定義上は1年という表現がされますが、実際には同じ決算期内であることが必要です。たとえば3月決算の企業で1月末に貸付を行った場合には、2ヶ月以内に返済見込みである貸付金に限り短期貸付金として計上できます。


貸借対照表では、短期貸付金は流動資産に分類されます。なお未収入金も同じく流動資産です。

長期貸付金とは?

長期貸付金とは、返済が1年以上先となる見込みの貸付金をいいます。貸借対照表では、長期貸付金は固定資産に分類され、長期貸付金のうち、返済期限まで1年を切ったものについては、短期貸付金に振り替える処理をおこなう必要があります。


貸付金のうち、相手が役員や従業員である場合は貸し付けた相手から利息を受け取る必要があります。銀行などから借入をおこなえば発生するはずだった利息を、会社から借りることで無利息にできるとすれば、発生するはずだった利息は給料と同等とみなされるためです。


利率は貸付金の原資が借入金であればその利率を、そうでない場合は貸付の時期により異なります。利息額が少額である場合や、災害や病気などで臨時に多額の生活資金が必要となった場合などは利息を受け取らなくてもよいことになっています。通常の貸付はできるだけ少額に抑え、天災時など臨時での貸付金は躊躇なく実施するといったようにメリハリある活用ができるとよいでしょう。


参考
No.2606 金銭を貸し付けたとき|国税庁 (nta.go.jp)

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貸付金債権と売掛債権の違い

貸付金債権と売掛債権の違いとして、「お金を貸した」のか「商品を提供した」のかという違いがあります。貸付金債権は貸与した金銭の返済を受ける権利であり、売掛債権は提供した商品の代金を回収する権利です。とはいえ、両者の線引きが明瞭でないケースもあります。


返済までの期間についても違いがあります。売掛債権の場合、売掛金が発生してから代金を回収するまでの期間は長くても6ヶ月程度です。一方、貸付金債権の場合は返済までの期間に目安となる基準はありません。短期貸付金に関しては返済まで1年以内という定義ですが、これは貸借対照表上で短期貸付金と長期貸付金を分ける際の決まりごとであり、貸付金債権としての期限の目安はありません。


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貸倒引当金の算定を行う場面での売掛金と貸付金

貸倒引当金の算定を行う際、その対象となる債権の評価方法として一括評価と個別評価の2つの種類があります。一括評価の対象とする場合、売掛金と貸付金はどちらも扱いは同様です。


そもそも貸倒引当金とは、保有している債権の回収が不能となった場合に備えて計上しておく引当金のことをいいます。会計の観点からは、債権回収不能により資金繰りが悪化し株主が不利益を被ることのないように、貸倒引当金を適切に計上することが求められます。一方、税務の観点では貸倒引当金を過大に計上して納税額を少なくしようとすることがないように、貸倒引当金の計上に対して厳しいチェックを向けています。この両方の観点をクリアするため、貸倒引当金の対象となる債権の範囲や割合については細かな規定が用意されています。


貸倒引当金の対象となる債権の評価方法には、一括評価と個別評価の2種類があります。一括評価とは、債務先の倒産など貸倒れにつながる懸念が特に発生していない債権について一括して評価をおこなう評価方法です。一括評価の対象となった債権の金額に対し、業種ごとに定められた一定割合を掛けて求まる金額を貸倒引当金として計上します。


一方個別評価とは、個々の債権ごとに貸倒引当金の評価をおこなう方法で、主に貸倒れとなる懸念のある債権に対して用いられます。個別評価にもとづいて計上する貸倒引当金は一括評価にもとづいて計上する貸倒引当金と比べて、評価額のうち引当金計上できる割合は多くなります。ただし取引先に倒産の兆候があるかなど、計上が認められるためには厳しい条件が設定されています。


参考
No.5500 一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の対象となる金銭債権の範囲|国税庁 (nta.go.jp)

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まとめ

貸付金とは、企業が取引先や自社の役員、従業員などに貸し付けた金銭です。取引先の資金繰り支援のために貸し付けることもあれば、自社の従業員が給料の前借りのような形で借りることもあるでしょう。


貸付金は、同じ年度内に返済が見込まれる短期貸付金と次年度以降に返済が見込まれる長期貸付金とにわけられます。長期貸付金のうち、時間が経過して同じ年度内の返済予定となったものは長期貸付金から短期貸付金へ振り替えをおこないます。


貸付金と類似する性質を持つ勘定科目として、未収入金や売掛金などがあります。いずれも将来に入金が予定されていることから、資産として扱われます。売掛金は本業に関するもの、貸付金と未収入金は本業以外に関するものとされています。


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