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債権回収

相殺とはなにか相殺の3要件と相殺取引の解説

相殺

相殺(そうさい)とは損得を差し引いて帳消しにすること。会計用語では当事者間で対等額の債務を差し引いて帳消しにすることを意味します。債務の相殺には事務上のメリットがありますが、法律上、相殺取引を行うためには3つの要件を満たすことが重要です。


この記事では相殺の意味をはじめ、ビジネスにおける相殺取引の具体例と相殺の3要件、および相殺処理で発行される請求書と領収書について解説いたします。

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相殺とは?

相殺とは、双方が互いに対等な権利や責任を持ち、打ち消し合う行為を指します。


また、長所や短所、利点や欠点が互いに抵消される状態もこの相殺という言葉で説明されることがあります。

会計においては、相殺とは関係者同士が相互に所有する同じ種類の債権や債務を、等額で除去するプロセスを指すことが一般的です。


このような手法は、金銭の授受に関わる手続きを効率化するメリットがあり、さらには支払いが遅延した場合にも債権の回収に役立つ可能性があります。


債権回収という観点からいえば、債務者が破産しても、特定の条件を満たしていれば相殺が可能です。この側面からみると、相殺は債権の安全確保にも寄与する機能があるということができます。

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相殺取引とは?

相殺取引とは、自社と取引先がお互いに金銭的な責任と権利を持つ状況で、これを均等に打ち消してしまう手続きを指す言葉です。


例をあげると、A社が精密機器を作り、B社がそれを組み込む大型機器を作っているとしましょう。双方がお互いの製品を信用取引で購入している状態で、それぞれ売掛金や買掛金が発生しています。


このような場合、相殺取引を利用すると、現金の授受を省きながらも売掛金を効率よく回収できます。これによって、振込手数料やその他の取引関連のコストを減らすことができるでしょう。


また、金額がピッタリ一致するわけではない場面も多いです。


例えば、A社がB社に対して100万円の売掛金を持っている場合、B社がA社に対して80万円の売掛金を持っていれば、その80万円分は相殺が可能です。B社はそのうえで、残る20万円をA社に支払う必要があります。


この相殺取引には、約定相殺と法定相殺という2つのカテゴリーが存在します。約定相殺は双方が合意にいたったうえで行われるものです。一方、法定相殺は、一方の当事者が相殺の意志を明示して実施するものです。


また、このような取引を行う際には、「相殺適状」という法的な条件を満たす必要があります。これが確認できれば、一方の当事者が単独で相殺を宣言することが可能です。


相殺適状は、取引が公平に行われるべきという法的な基準です。約定相殺では、当事者双方が合意すればこの条件を厳密に満たさなくても相殺が許される場合もあります。


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相殺の三要件とは?

法定相殺とは、一方の当事者が単独でその意志を表明することで債権を消滅させる仕組みであり、民法でこの操作が公正であるための基準を設けています。具体的には以下の3つの条件が必要です。

同類の債権が両当事者間に存在すること

両当事者が互いに持っている債権が同じ性質のものでなければなりません。例えば、双方が金銭債権を持っている場合などです。このような場合、契約の内容が異なるとしても、その債権が金銭を対象としていれば相殺が可能です。

自働債権の弁済期が訪れていること

民法の規定によれば、自働債権と受働債権の双方が弁済期にあることが相殺の条件とされています。しかし、実務上、主に自働債権の弁済期が重視されます。これは、相殺を行いたい側が、受働債権が弁済期前でもそれを認める形となるためです。

相殺が許される債権であること

なんらかの理由で相殺が禁じられている債権には手を付けることはできません。例としては、特約で相殺が禁止されている債権や、一定の不法行為にもとづく損害賠償債権、法的に相殺が許されない債権などがあげられます。


以上のように、相殺を適正に行うためには、これら3つの要件が必要とされています。特に注意すべきは、改正民法において、悪意にもとづく不法行為のみが相殺禁止の対象となっている点です。また、法的に相殺が許されない特定の債権も存在するため、その点も考慮に入れる必要があります。

相殺処理の請求書について

相殺請求書は、ビジネスパートナー間で互いに保持する債権と債務を相殺し、最終的な支払額を明示した文書です。相殺そのものは、未払いの売掛金等を精算する手段として一般的ですが、文書でこの処理を実施する際は、第三者にも明瞭に理解できるように各金額を詳細に記す必要があります。


具体的には、通常の請求書と同じように請求元と請求先の名前や企業名、取引の日付や内容、支払い先の銀行情報などを明記します。そのうえで、元々の請求額、相殺に用いる金額、そして相殺後の実際の支払額もしっかりと記入することが求められます。

相殺処理の領収書とは

相殺領収証は、債権の相殺が完了した証拠として作成する文書です。一般的な領収証が現金の授受を証明する目的で発行されるのに対し、相殺処理では金銭の移動がないため、この文書は債権が消滅したことを証明する役割を果たします。


税法的には、相殺領収証は現金や有価証券の受領を証明する文書とは見なされません。また、法的にこの領収証の発行が必須であるわけではないのです。


一般に、相殺処理はもし問題が起きても証拠が容易に提供できるため、効率化の観点から一部の企業は相殺領収証を発行しない場合もあり、代わりに支払明細に「相殺処理済み」とだけ記載することもあります。


しかし、現金と信用の取引が混在するビジネス環境では、相殺領収証がないと二重に請求されるリスクや誤って二重に支払ってしまう危険性も考えられます。したがって、相殺が正確に行われたことを明示するため、双方で相殺領収証を作成し交換することが推奨されます。

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まとめ

相殺とは、お互いに対峙する債権や債務を打ち消し合うアクションを指します。

財務文書において、相殺は関係者が互いに有する同類の借りと貸しを等価で相殺し、それにより解消する行為です。

相殺取引の概念

相殺取引は、会社Aと会社Bがお互いに持つ債権と債務を等額で相殺し、それぞれの支払い義務をキャンセルすることを指します。

相殺手続きの種類

基本的には約定相殺と法定相殺という2つの形が存在します。

約定相殺は、関係する両当事者が合意に達して実施される相殺です。

一方、法定相殺は、一方の当事者が相殺の実施を宣言することで有効になる手法です。

法定相殺が適用される条件

法定相殺が適用されるためには、対象となる債権が「相殺適状」になっている必要があります。具体的には、同じ当事者間で対立する同種の債権が存在し、その債権が弁済期限に達していること、そして相殺が禁じられていない状況、この3つの条件を満たす必要があります。

相殺関連の文書

相殺に関連する文書には主に2つあります:相殺請求書と相殺領収証。

相殺請求書は、債権の相殺後に残る支払いが必要な金額を列挙した書類です。

相殺領収証は、債権が相殺されたことの証拠として発行される書類です。

税務上の位置付け

税法によれば、相殺領収証は金銭の受領を証明する文書とは認められていません。


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