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リスク管理

入金遅延とは 考えられる原因とリスクの解説

入金遅延

継続していた取引先でも、突然に入金を遅延するケースがあります。取引先からの支払いが滞ると、企業のキャッシュフローに大きな影響を及ぼし、経営の安定性と信頼性をも傷つけかねません。また入金遅延は単なる支払いの遅れにとどまらず、取引先の経営不振や倒産の前兆としてリスク管理のきっかけにもなりえます。本記事では、入金遅延の原因から生じるリスク、そしてそれを回避するための対応方法について解説します。

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入金遅延とは?

入金遅延は、取引先から約束された期日に支払いが行われない状況を指します。ビジネス取引では通常、支払期限が双方の合意に基づき契約書に記載されます。


多くの企業間取引では、例えば当月末締めの翌月末払いのように、一定期間内の取引金額を後日一括で精算する掛け取引が用いられます。この方式では、商品やサービスの受渡し毎に即座に決済を行うのではなく、相互の信頼にもとづいた掛け取引が一般的です。


未回収の売掛金が支払期限内に支払われず、期日を超えても支払いが行われない場合、それは入金遅延の状態となります。この遅延は、事前の相談無しに発生することもあれば、支払い猶予を要請されることもあります。

入金遅延による影響

入金遅延は企業のキャッシュフローに直接影響を与え、資金繰りに問題を生じさせる可能性があります。その影響は、社内外のさまざまな関係に及び、企業の評判や信頼性の低下を招くことがあります。また、自社が入金遅延を引き起こした場合、信用力の低下により将来的な資金調達が困難になる恐れもあります。以下に、入金遅延の具体的な影響を示します。


  1. 資金繰りの悪化
    入金の遅れは、他の重要な支出への影響を及ぼし、給与の支払い遅延などが従業員のモラルと生産性を低下させる可能性があります。
  2. 事業展開の遅延
    必要な資金が不足すると、新しいプロジェクトや事業の拡大が遅れ、結果的に競争力の低下を招くことがあります。
  3. 取引関係の悪化
    入金遅延は取引先との信頼関係を損ね、長期的なビジネスパートナーシップに影響を与える可能性があります。
  4. 信用評価の低下
    長期間にわたる入金遅延は企業の信用評価を悪化させ、将来の資金調達を困難にすることが考えられます。
  5. 遅延損害金の発生
    入金の遅れによって遅延損害金が発生することがあり、これは金銭的な支払いが遅れた結果として債権者に生じた損害を賠償するものです。これにより自社の財務状況がさらに圧迫されることがあります。

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入金遅延が発生した場合の対応方法

入金遅延は様々な原因によって生じます。理由が自社のミスであれば対応が可能ですが、取引先由来の場合は、その詳細を完全に把握することは難しいでしょう。こうした事態を防ぐためにも、予防策を理解し、入金遅延が起きた際に迅速に対応できるよう準備が必要です。主な原因と対応策を以下に説明します。

主な入金遅延の原因と対応


  1. 事務手続きのミス
    書類の不備や振込み手続きの漏れなど、担当者のミスが原因で遅延が発生することがあります。この場合、速やかに問題を特定し、修正することで迅速に解決できます。自社のミスであれば謝罪し、再発防止策を講じます。
  2. 取引先との認識の相違
    支払条件や金額について双方の認識が異なることが遅延の原因となることがあります。こうした場合、契約書の内容を再確認し、必要に応じて交渉や契約の見直しを行います。契約書と交渉の詳細を書面で残すことが重要です。
  3. 取引先の資金不足
    取引先が資金不足に陥っている場合、支払いが困難になり、最悪の場合は倒産する可能性もあります。このような場合には、取引条件の見直しや適切な担保の設定など、リスクを最小限に抑える措置が必要です。

具体的な対応手順

  1. 原因の確認
    入金遅延の理由を明確にするため、まずは自社か取引先か、遅延の原因を確認します。
  2. 取引先とのコミュニケーション
    原因が取引先にある場合は、遅延の理由を直接確認します。手続きのミスや認識の違いがあれば、これを解決するためのステップを踏みます。
  3. 新たな支払予定日の設定
    問題が解決した場合、新たな支払日を設定し、文書化しておくことが重要です。これにより、取引先との紛争を防ぐことができます。
  4. リスクの再評価
    取引先の財務状態や信用情報を再評価し、将来的なリスクを見極めます。必要に応じて、取引条件を見直すことが必要です。
  5. 入金の確認とフォローアップ
    新しい支払期日になったら、入金が正しく行われたかを確認します。未入金の場合は、取引先と直接交渉を行います。

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売掛保証サービスやファクタリングサービスを利用する

回収不能リスクのある売掛金を抱えたままでいるのは危険です。できる限り回収不能リスクを回避するために、売掛保証サービスやファクタリングサービスなどを利用することが考えられます。これらのサービスは、売掛金の回収や安定したキャッシュフローを確保するのに役立ちます。

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売掛保証とは

​​売掛保証とは、取引先が経営悪化や財政難で支払いができなくなってしまった際に、自社の未回収の売掛金を保証してもらえるサービスです。会社更生法が適用された場合には売掛金の回収が難しくなります。そのようなリスクに備えるために売掛保証サービスに申し込んでおくとリスク回避ができます。


売掛保証のメリットは、売掛金の未回収リスクを減らせるだけではなく、与信管理もあわせて行えることにあります。売掛保証会社が契約前に取引先(売掛先)の与信審査を行うためです。しかも、取引先に知られることなく契約を進められるのも、売掛保証サービスを利用しやすいポイントです。

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ファクタリングサービスとは

ファクタリングサービスは、企業が売掛金を速やかに現金化できる金融サービスです。このサービスにより、企業は取引先の支払いを待つことなく直ちに資金を確保することが可能となります。手数料が発生するため完全な額の回収はできませんが、入金遅延のリスクを効果的に回避できる利点があります。

ファクタリングサービスの利点


  1. キャッシュフローの改善:
    • 売掛金を即座に現金化することで、企業のキャッシュフローが向上し、資金繰りの問題が解消されます。
  2. 資金調達の迅速化:
    • 必要な時に迅速に資金を調達できるため、突発的な資金需要に対応可能です。
  3. 債権管理の効率化:
    • ファクタリング会社が売掛金の回収を担うことで、企業は債権管理の手間を大幅に削減できます。
  4. 信用リスクの軽減:
    • ファクタリング会社が信用リスクを負担するため、取引先のデフォルトが発生しても影響を受けにくくなります。

ファクタリングサービスは、特にキャッシュフローに課題を持つ企業や、迅速な事業拡大を図るための資金が必要な企業にとって、非常に有効な資金調達手段です。


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まとめ

入金遅延は支払期限を過ぎた支払いが行われない状況で、企業のキャッシュフローや信頼性に大きな影響を及ぼします。入金遅延の原因や対応方法を理解して、発生前からあらかじめ対策を講じることで未然に防ぐことが重要です。


事前の準備として請求書管理、与信管理、契約内容の見直し、売掛保証サービスやファクタリングサービスの活用が考えられます。これらの手段を適切に組み合わせることで、入金遅延のリスクを最小限に抑え、ビジネスの安定と成長の基盤を確保します。入金遅延への対応は、ビジネスの健全性と信頼性を保つために欠かせない基本的な要素と言えるでしょう。


売掛金保証サービス「URIHO(ウリホ)」は、取引先の倒産や未入金時に取引代金を代わりにお支払いするサービスです。事前に取引先に保証をかけておくことで、与信管理をしなくても安心して取引を行うことができます。また、督促業務に時間や労力を割く必要がなくなり、営業活動に集中することが可能です。


また、URIHOはすべての手続きがWeb上で完結し、スピーディに利用開始することが可能です。売掛金の回収にご不安がある場合は一度導入をご検討ください。

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