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会社の倒産予兆を察知するには 財務諸表で見るべき項目とは

会社の倒産予兆

会社の資金繰りが悪化し経営が成り立たなくなると、やがて会社は倒産状態となります。取引先が倒産すると売掛金が回収できず、自社の資金繰りに影響を及ぼす可能性があるため、取引先の状況は常にチェックしておきたいものです。


本記事では、会社の財務諸表や各種データから倒産の予兆をつかむポイントを解説します。予兆がみられた場合に倒産を見越して動くことで共倒れのリスクを低減できるため、ポイントをおさえおきましょう。

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倒産とは?

倒産とは、企業が経済的な困難により、事業を継続することができなくなった状態を指します。具体的には、経営が成り立たなくなる、売掛金や手形などの支払いが不可能になるなどの状況が含まれます。このような倒産状態にある企業は、裁判所に対して破産手続き、民事再生手続き、会社更生手続きなどの開始を申し立てることが一般的です。これらの法的手続きを通じて、倒産が正式に認定されることもあります。


倒産にいたる企業には、主に二つの対応パターンがあります。一つは会社の清算を行い、事業を終了させること。もう一つは、会社の再建を目指し、事業を存続させるための措置を講じることです。これらは、裁判所の監督のもとで行われる公的整理の方法です。しかし、裁判所を介さずに倒産処理を行う私的整理も存在します。私的整理では、債権者との間で直接交渉を行い、債務の再編成や資産の売却などを通じて、企業の財政状態の改善を図ります。


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財務諸表とは?

財務諸表とは、企業の財務状況、経営成績、キャッシュフローなどを示す公式の報告書です。これらは、企業が一定期間の経済活動の結果を外部の利害関係者に伝えるために使用されます。主に以下の3つの基本的な財務諸表があります。

貸借対照表(バランスシート):

貸借対照表は、企業の特定時点での財産(資産)、負債、および株主資本(自己資本)の状態を示す報告書です。この報告書は、企業の財務状態を一目で把握するためのもので、資産、負債、および株主資本の三つの主要な部分から構成されます。資産は企業が所有するリソースで、流動資産と固定資産に大別され、現金や在庫、不動産、機械設備などを含みます。負債は企業が他者に対して持つ債務で、短期借入金や長期借入金などがあります。株主資本は、資産から負債を差し引いた企業の純資産で、出資金や利益剰余金などが含まれます。

損益計算書(P/L)

損益計算書は、一定期間にわたる企業の収益と費用を反映し、その結果として生じた利益または損失を示します。この報告書は、企業の経営成績を評価するためのもので、収益から費用を差し引いた結果が利益または損失として示されます。収益は商品やサービスの販売から得られる金額であり、費用は収益を得るために発生したコストです。営業利益や純利益など、さまざまな利益指標がこの過程で計算されます。

キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書は、企業の一定期間内の現金および現金同等物の流入と流出を追跡します。この報告書は、企業の現金収支と資金の動きを理解するために用いられ、営業活動、投資活動、財務活動の三つのカテゴリに分けて現金の流れを示します。営業活動からのキャッシュフローは、企業の主な事業活動による現金の流入と流出を反映し、投資活動からのキャッシュフローは、設備投資や投資有価証券の売買など、企業の将来の収益性を高めるための活動に関連する現金の動きを示します。財務活動からのキャッシュフローは、借入金の返済、新たな借入、株式の発行や配当の支払いなど、企業の資金調達と株主への還元に関わる現金の流れを表します。

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倒産の兆しはどこから読み取れる?財務諸表からみる倒産のサイン

前日まで何も兆候がみられなかったのに、当日になっていきなり倒産するという例はごくわずかです。多くの場合、倒産した会社の財務諸表をみると事前に倒産のサインが出ています。

貸借対照表で見る倒産の情報

貸借対照表で倒産の兆しがないかどうかを確認する際、重要なポイントは「債務超過状態になっていないか」という点です。債務超過状態とは、貸借対照表上で資産よりも負債が大きくなっている状態を指し、これが発生すると企業の信用が低下し、融資の獲得が困難になる可能性があります。資金調達が難しくなると、支払いに困難をきたし、結果として倒産に至ることがあるでしょう。


ただし、貸借対照表上で負債が資産を上回っていなくても、土地や有価証券などが実際の価値よりも高い評価で計上されている場合、実質的には債務超過状態にある可能性があります。そのため、貸借対照表の数字だけでなく、資産の評価方法にも注意を払い、詳細なチェックが必要です。


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キャッシュフロー計算書でみる倒産の情報

キャッシュフロー計算書はお金の流れを表す帳票であり、キャッシュフロー計算書での倒産の予兆は3帳票の中でも最も倒産に近いといえます。


キャッシュフローは、創業時や大きな事業刷新のタイミング以外はプラスであるのが正常な状態です。営業活動によるキャッシュフローのマイナスが続いている場合、事業がうまくいっておらずやがて資金繰りが悪化する可能性が考えられます。また営業活動によるキャッシュフローが芳しくない場合に財務活動によるキャッシュフローがゼロまたはマイナスとなっている場合、資金が必要な状態にも関わらず融資を受けることができない可能性があります。融資がおりないということは財務状況がよくない可能性があり、やはり近いうちに資金繰りが悪化する懸念を考えましょう。


これらのパターンに当てはまるからといって必ず倒産するわけではありませんし、逆にこれらのパターンにあてはまらない場合でも資金繰りが悪化することはあります。キャッシュフローがマイナスとなっている理由が明確に説明できない活動については、何かしら問題があるのではと考えるようにするのがよいでしょう。


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損益計算書でみる倒産情報

損益計算書で見るべき項目としては、営業利益、経常利益、当期純利益などがあります。営業利益はその企業が本業で稼いだ利益額を表す項目、経常利益は本業で稼いだ利益に加えて財務による損益が反映された項目、当期純利益はその企業のその年の最終的な損益を表す項目です。これらの項目のうちどれかひとつでもマイナスがあれば、それが単年の現象であるかどうかを確認しましょう。次年度もつづくようであれば要注意のサインです。また可能であれば過去の損益計算書も確認し、マイナスが続いていないかどうかを確認できるとなお良いでしょう。


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財務諸表以外でわかる倒産情報

貸借対照表、キャッシュフロー計算書、損益計算書の財務諸表以外からも、倒産の可能性を表すデータが存在します。

支払い期限の遅延が発生

売掛金の支払いや手形の決済など支払い期限があるものに対して遅延が発生している場合、それは倒産のサインと考えられます。遅延が単発の発生であること、遅延理由が明確で倒産と関係ないことが確認できれば問題ありませんが、遅延が複数回続いたり遅延の理由が不明瞭であったりする場合は資金繰り悪化の可能性が大きいです。また手形は不渡りが続けば倒産を招きます。


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経費削減や人員整理の実施

企業が経費削減や人員整理を行っている場合、一見すると効率的な経営のための健全な措置と考えられがちですが、大規模かつ急激に行われる場合、深刻な財務的問題が背後にある可能性が高いでしょう。特に、経費削減の措置が研究開発費や従業員研修費の削減を含む場合、長期的な企業の競争力を損なう恐れがあります。また、人員整理が行われる際には、それに伴う退職金の支払いや失業保険への影響も企業のキャッシュフローに影響を及ぼすことがあり、これらの措置が企業の将来の成長や安定に疑問符を投げかけることになります。

業務量の減少や大口取引の喪失

企業の収入源にとって重要な大口取引が失われた場合、ただちに財務状況に反映されます。業務量の減少や大口顧客の喪失は、売上高の直接的な減少につながりこのような変化に対応できない企業は、新たな収入源を開拓するための戦略的な転換を迫られることになるでしょう。また、こうした収入の減少は企業の信用状態にも影響を与え、資金調達の困難さを増すことが考えられます。

経営陣や経理の社員が退職

社内で何らかの問題が発生した場合、それが経営陣の退任や経理社員の退職として表に出ることがあります。退任や退職も明確な理由があり、資金繰りと関係ないことが確認できれば問題ありませんが、理由が不明瞭だったり触れることがタブーであるかのような雰囲気を醸し出していたりする場合、社内の状況が芳しくなく経営自体が傾く可能性が懸念されます。

同業他社からうわさが流れる

同業他社からの良くないうわさも、経営陣や経理社員の退職と同様に倒産の可能性を疑うポイントです。うわさだけを鵜呑みにするのはよくありませんが、火のないところに煙はたたぬともいわれるとおり、うわさが流れるからには何かしらの問題があることが多いです。

倒産する危険がある会社と取引しないための対策方法

前項であげている、財務諸表以外でわかる倒産のサインについては、自力で信用調査するほかに調査会社を利用する方法があります。自力で調査しようとすると時間も手間もかかるうえ、機密情報で開示してもらえない内容もありますが、調査会社を利用することで手間や時間をかけずに情報を得ることが可能です。


調査を外部へ依頼する場合、調査を専門とする業者を選ぶのもひとつの方法ですが、例えばファクタリングや売掛保証など与信審査をステップのひとつに持つサービスへの申し込みをするという方法もあります。ファクタリングとは売掛債権を買い取るサービス、売掛保証は売掛金が回収不能となった場合に一定の条件下で補填を行ってくれるサービスです。ファクタリングや売掛保証では取引先の財務状況や支払能力などをもとに与信審査を行います。与信審査の結果ファクタリングや売掛保証を受けられない、あるいは手数料が相場より高く設定される場合には倒産の懸念があるため取引を控えるべきでしょう。


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売掛保証とは?

売掛保証とは、あらかじめ保証金を支払うことで売掛金の回収不能を回避できるサービスです。売掛保証を行う保証会社へ保証金を払う必要がありその金額分のコストは発生しますが、それ以上のリスクを負うことなく一定の条件下で売掛金の入金を保証してもらうことができます。


保証会社によりますが、基本的に売掛金の補填を受けることができるのは倒産や民事再生手続きに至った場合です。一部の保証会社では倒産までいかなくても、入金遅延が発生した段階で補填するサービス内容となっています。いずれにしても、倒産となれば売掛金の補填が受けられる場合がほとんどです。前項までにあげたような倒産のサインがみられる取引先、あるいは取引金額が大きく倒産した場合の自社への影響が大きいような場合には、売掛保証サービスの利用を検討するのが良いでしょう。


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まとめ

会社が倒産状態、すなわち経営が立ち行かない状態になる前には、どこかしらに予兆が表れるものです。例えば貸借対照表、キャッシュフロー計算書、損益計算書のうちどこかにその兆候が表れることがあります。また財務諸表以外のところでサインが出る場合もあります。いずれの場合でも絶対的なサインがあるわけではなく、以前と比べての変化の中でその兆候を読み取ることが必要です。倒産の予兆を見逃さないために取引先情報のチェックを定期的に行ったり、売掛保証サービスを利用したりして、倒産の予兆を読み取りリスクを低減する対策を普段から行っておくとよいでしょう。


売掛金保証サービス「URIHO(ウリホ)」は、取引先の倒産や未入金時に取引代金を代わりにお支払いするサービスです。事前に取引先に保証をかけておくことで、与信管理をしなくても安心して取引を行うことができます。また、督促業務に時間や労力を割く必要がなくなり、営業活動に集中することが可能です。


また、URIHOはすべての手続きがWeb上で完結し、スピーディに利用開始することが可能です。売掛金の回収にご不安がある場合は一度導入をご検討ください。

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