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取引先の経営状況を調べる方法7選|財務データ・信用調査・公的情報源の活用手順を解説

取引先の経営状況を調べる方法

新たな取引先と契約する際、その会社が確実に利益を生み出せる会社かどうかを知るのは重要です。毎年安定して利益を出している会社であれば、取引のリスクは低いでしょう。


しかしながら、利益が上がっていたとしても、それが本業に基づくものか、本業以外の投資からの一時的なものかによって評価は異なります。そのため、企業の経営状況を正確に評価するには、利益の詳細な内訳まで確認しなければなりません。


この記事では、取引先の経営状況を調べる方法や、損益計算書を見るにあたり押さえておくべき重要指標を解説します。あわせて、経営悪化の兆候を見抜くチェックリスト、調査後の対処フローを紹介します。

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会社の経営状況を知るためには

会社の経営状況をつかむ基本は決算報告書を見ることです。決算報告書は、会社がどのような経営状態にあるかを明らかにする情報の宝庫であり、さまざまな判断材料を得られます。そのほかにも、外部の情報源を活用する方法があります。ここでは、会社の経営状況を知る方法について解説します。

損益計算書を確認する

売上や利益の詳細は、決算報告書の中の「損益計算書」で確認できます。損益計算書は、1事業年度において得られた収益と、その収益を生み出すためにかかった費用を記載した書類です。


損益計算書を読み解けば、会社が本業でどれだけ稼いでいるか、最終的にいくら利益が残っているかが把握できます。利益が本業から得られたものか、一時的な特別利益かを区別する際にも、損益計算書の各指標が役立ちます。

外部の情報源を活用する

決算報告書を直接入手できない場合でも、EDINETや官報決算データベース、信用調査会社のレポートを使えば、外部から経営状況を調べられます。


上場企業であればIR情報がWebサイトで公開されているため、比較的手軽に財務データを閲覧できます。非上場企業の場合は、登記情報や信用調査レポートを組み合わせて判断するのが有効です。


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損益計算書から経営状況を見抜く5つのポイント

損益計算書で見るべき重要指標を5つ紹介します。

会社の経営規模が分かる「売上高」

損益計算書の一番上に表示されている数字で、1事業年度の売上の総額です。売上高が大きいほど、大きな商売をしていると判断できるため、会社の経営規模が分かる指標といえます。

取扱商品の実力が分かる「売上総利益(粗利)」

売上総利益は、売上高から売上原価を差し引いた残額であり、粗利とも呼ばれ、取り扱う商品の力を判断できる指標です。


売上総利益の計算式

売上総利益 = 売上高 - 売上原価


また、売上に対する売上総利益の比率である売上総利益率は、他社と比較検討する際によく使われる指標です。


売上総利益率の計算式

売上総利益率 = 売上総利益 ÷ 売上高 ×100


ただし、売上総利益率は業種により差の出る指標です。他社との比較にあたっては、同業種間での比較が望ましいでしょう。


業種別の売上と売上原価は経済産業省が公表する「企業活動基本調査確報」で確認できます。

会社の本業で稼ぐ力が分かる「営業利益」

営業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いて求めます。会社が本業でどれだけ利益を出しているかを示す指標です。


営業利益の計算式

営業利益 = 売上総利益 - 販売費及び一般管理費


売上総利益が高くても、管理が甘くコスト削減意識が低い会社は営業利益を残せません。一方で、営業利益が高い会社は、本業において収益性が高いといえるでしょう。

会社経営の実力が分かる「経常利益」

経常利益は、営業利益に営業外収益をプラスし、営業外費用を差し引いて求めます。営業外収益は受取利息や受取配当金、営業外費用は主に借入利息です。本業の収益力に加え、財務力も考慮された指標です。


経常利益の計算式

経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用


経常利益は、利益の中で特に注目される数字です。不動産の売却で得られるような一時的な特別利益が含まれず、会社経営の実力を示す数字だからです。経営状況を調べるにあたって、経常利益の確認は必須といえるでしょう。


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最終的な経営成績である「当期純利益」

当期純利益は、損益計算書の一番下に表示されている数字で、会社の最終的な経営成績を示す指標です。


当期純利益の計算式

当期純利益 = (経常利益 + 特別利益 - 特別損失)-法人税等(法人税・住民税及び事業税など)


当期純利益がマイナス(当期純損失)であれば、利益の出ていない赤字の会社だと分かります。


上記5つの指標から、調査する会社の利益を生み出す力を判断しましょう。


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「自己資本比率」を確認する方法もある

損益計算書だけでは、借入金の状況は見えません。会社が利益を出していても、実際は多額の借入金を抱え、資金繰りに追われているかもしれません。


資金繰りに余裕があり、本業に集中できる安定した財務体質かどうかを見極めるには、貸借対照表の「自己資本比率」を確認します。自己資本比率は会社の財務体質の強さが分かる指標です。


自己資本比率の計算式

自己資本比率 = 純資産 ÷ 資産合計(総資本)×100


自己資本比率が高いほど、資金調達に占める借入金の割合が小さく、借入金への依存度が低いといえます。業種によって水準は異なるため、同業他社との比較で判断するのが望ましいでしょう。


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経営状況を調べるために役立つ情報源7つと使い方


インターネット上には、独自のリサーチ方法で会社の財務状況や経営指標を収集し、掲載しているサイトがあります。ここでは、経営状況の調査に使える7つの情報源と、それぞれの使い方を紹介します。

企業のHP(IR情報・決算公告ページ)

上場企業であれば、自社のWebサイトにIR(投資家向け情報)ページを設けています。決算短信や有価証券報告書、中期経営計画が公開されており、EDINETよりも速報性が高い点が特徴です。


非上場企業でも、自社サイトに決算公告を掲載しているケースがあります。まずは取引先のWebサイトを確認し、IR情報や会社概要のページに決算データが公開されていないか調べましょう。

EDINET

EDINETは金融庁が提供するシステムで、過去の有価証券報告書を無料で閲覧できます。EDINETのトップページから「書類検索」を開き、企業名を入力すると該当する開示書類の一覧が表示されます。閲覧したい有価証券報告書を選べば、その場でPDFをダウンロードできます。


有価証券報告書には、企業の概況、事業リスク、経理の状況が含まれています。上場企業と一部の非上場企業が対象で、金融商品取引法に基づき、一定要件を満たす非上場企業にも報告が求められています。


参考

金融庁 EDINETについて

官報決算データベース

官報に掲載された決算公告を検索できる無料のデータベースです。非上場企業の貸借対照表を閲覧でき、資産・負債・純資産の概要を確認できます。


ただし、すべての企業の決算公告が掲載されているわけではありません。会社法では株式会社に決算公告が義務づけられていますが、実際には公告を実施していない企業も多いため、補助的な情報源として活用しましょう。


参考

官報決算データベース

会社四季報オンライン

会社四季報オンラインは、上場銘柄の情報を中心に提供するサイトです。業績予想や「四季報スコア」、「ライバル比較」の機能を使えば、同業他社との比較が効率的に進められます。


非上場企業の情報はWebサービスの「会社四季報未上場版データ WEB版」で確認できます。ただし、有料サービスとなるため、調査対象に応じて利用を検討しましょう。


参考

会社四季報オンライン 東洋経済データサービス

帝国データバンク

帝国データバンクは日本の大手信用調査会社で、企業や経済の情報提供を幅広く手がけています。調査手法の特徴は「直接調査」にあり、調査員が取引先を訪問して経営者に直接ヒアリングを実施します。


信用調査レポートには、信用評点・業績推移・主要取引先・取引銀行・代表者の経歴が網羅されており、与信判断の材料として広く活用されています。


参考

帝国データバンク

東京商工リサーチ

東京商工リサーチは帝国データバンクと並ぶ大手の信用調査会社です。企業データベースの収録数が多く、倒産速報の配信も手がけています。


どちらの会社も有料で信用調査レポートを提供しています。取引先の規模や調査の目的に応じて、適した会社を選びましょう。


参考

東京商工リサーチ

登記情報提供サービス

登記情報提供サービスでは、法務局が管理する登記簿謄本の内容をオンラインで閲覧できます。1件あたり330円で利用でき、資本金の増減や役員の変更履歴、本店所在地の移転の有無を確認できます。


取引先の役員が短期間で頻繁に交代している場合や、本店所在地が何度も移転している場合は、経営の不安定さを示す兆候として注意が必要です。


参考

登記情報提供サービス

経営悪化の兆候チェックリスト10項目

取引先の経営悪化は、財務データと日常の取引状況の両面から察知できます。


ここでは、経営悪化を早期に見抜くためのチェックリスト10項目を紹介します。


No.チェック項目確認方法
営業利益の赤字が連続している損益計算書で2期以上の推移を比較
税金・社会保険料の支払いを先延ばしにしている取引先へのヒアリング、登記簿の差押え記載
売掛金の回収遅延が発生している自社の入金管理データで確認
借入金依存度が上昇している貸借対照表の負債比率を確認
キャッシュフローがマイナスになっているキャッシュフロー計算書の営業活動区分
支払い遅延が発生している自社への支払い状況、同業者からの情報
大口取引を失っている取引先のIR情報、業界紙の報道
主要取引先や取引銀行が変更されている信用調査レポート、登記簿の確認
代表者や役員が交代している登記簿謄本の役員変更履歴
同業他社から悪い噂が出ている業界内のヒアリング、ネット上の評判

該当数が多いほど売掛金の未回収につながるおそれが高まるので、注意が必要です。


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キャッシュフロー計算書における直接法と間接法とは 違いもあわせて解説

会社の倒産予兆を察知するには 財務諸表で見るべき項目とは

調査結果をもとにした対処フロー


経営状況の調査が終わったら、結果に応じて取引条件の見直しやリスクへの備えを進めましょう。ここでは、調査結果を活用するための3つのステップを紹介します。

1. 取引先の危険度を判定する

前述のチェックリスト10項目の該当数に応じて、取引先を「安全」「要注意」「危険」の3段階に分類します。


以下の表は、分類の目安です。


分類チェックリスト該当数対応の方向性
安全0~1項目通常どおり取引を継続する
要注意2~4項目取引条件の見直し、モニタリング強化
危険5項目以上取引縮小・停止の検討、債権保全の措置

該当数だけで一律に判断するのではなく、個別の項目の深刻度や取引先との関係性も踏まえて総合的に評価しましょう。

2. 取引条件を見直す

「要注意」に分類した取引先に対しては、与信枠(取引額の上限)を縮小する、支払い条件を前払いに変更するといった対応が考えられます。


「危険」に分類した取引先に対しては、取引の縮小や停止を検討する段階です。既存の売掛金がある場合は、回収を優先して進めましょう。新規の受注は、代金前払いを条件にするか、取引そのものを見合わせる判断も求められます。


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与信枠とは設定をするメリットとポイントの解説

3. 売掛保証サービスで未回収リスクに備える

取引条件の見直しに加え、売掛保証サービスを活用すれば、未回収リスクそのものを移転できます。


売掛金保証サービス「URIHO(ウリホ)」は、取引先の倒産や未入金時に取引代金を代わりにお支払いするサービスです。URIHOを通して事前に取引先に保証をかけておくことで、万が一の際にはURIHOが代金を保証するため、売掛金の未回収による資金繰りの悪化を防げます。


URIHOの与信審査は取引先に通知されないため、取引関係に影響を与えずに利用できる点もメリットです。与信審査を外部に任せられるため、自社の管理負担も軽減されるでしょう。


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売掛保証とはなにか ファクタリングとの違いと実際の利用事例をご紹介

よくある質問

最後に、会社の経営状況を調べる方法についてよくある質問に回答します。

Q1. 取引先を調査していることは、相手に知られますか?

登記簿、EDINET、官報決算データベースはいずれも公開情報です。閲覧しても取引先に通知される仕組みはないため、相手に知られずに調査できます。


一方、信用調査会社に依頼する「直接調査」は、調査員が取引先を訪問して経営者にヒアリングを実施するため、調査の事実が取引先に伝わる可能性があります。

Q2. 設立して間もない会社の経営状況は、どのように確認すればよいですか?

設立間もない会社は決算実績が少なく、財務データだけで経営状況を判断するのが困難です。以下の方法を組み合わせて対応しましょう。


・登記簿謄本で資本金の額や役員構成を確認する

・代表者の氏名で検索し、過去の経営歴や業界での評判を調べる

・小口の取引から始めて支払い実績を見てから取引額を拡大する

・売掛保証をかけてリスクを移転し、万が一の未回収に備える


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新規取引先と取引をするうえでのチェックポイントと考えられるリスクとは信用調査の大切さの解説

まとめ

会社の経営状況を調べる基本は、決算報告書を見ることです。決算報告書には見るべき重要指標があります。まずは会社の利益を生み出す力を確認するため、損益計算書の以下の指標を確認しましょう。


・売上高

・売上総利益(率)

・営業利益

・経常利益

・当期純利益


また、損益計算書だけでは分からない会社の財務状況は、貸借対照表で自己資本比率を確認しましょう。これらの各指標は、同業他社と比較することで経営状況を客観的に判断できます。


会社の経営状況の調査に役立つ情報源には、企業のIR情報、EDINET、官報決算データベース、会社四季報、帝国データバンク、東京商工リサーチ、登記情報提供サービスがあります。これらの情報源を組み合わせて取引先の調査に役立てましょう。


加えて、経営悪化の兆候チェックリストを使って取引先の状況を定期的にモニタリングし、リスクが高まった場合は取引条件の見直しや売掛保証の導入を検討してください。


売掛金保証サービス「URIHO(ウリホ)」は、取引先の倒産や未入金時に取引代金を代わりにお支払いするサービスです。URIHOを通して事前に取引先に保証をかけておくことで、与信管理をしなくても安心して取引ができます。また、督促業務に時間や労力を割く必要がなくなり、営業活動に集中できます。


URIHOはすべての手続きがWeb上で完結し、スピーディに利用開始できます。売掛金の回収にご不安がある場合は一度導入をご検討ください。

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